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シェアハウスの起源

「葬式はいらない」などの著者である、宗教学者、島田裕巳氏が約1年前に著した「人はひとりで死ぬ~「無縁社会」を生きるために~」はなかなか興味深い本でした。

 最近、孤独死あるいは孤立家族死のニュースが目に付きます。また、かつて若者で賑わっていた郊外のニュータウンなどでは、独居老人の増加がもっぱら話題になっています。
 地域内などでの人間関係が希薄で、まさに「となりは何をする人ぞ」という現代社会を今「無縁社会」と呼ぶようになりました。 

 ところで日本は戦後、高度経済成長時代を迎え、大量の人々が地方農村地域から東京、大阪などの大都市に流入しました。
 それは、それまでの伝統的な村社会から、都市への移動でした。
これは、正に「無縁社会」の反対である村社会である「有縁社会」からの移動でした。

 島田氏は、この有縁から無縁への移動が、決して移動した人々の意に背く現象ではなく、むしろ、ある意味硬直化した社会から脱出し、豊かになるために、進んで行ったことであるとも言える、と分析されています。
 無縁社会はある意味望まれて、形成されたということです。
 しかし、無縁を求めてきたはずの人々でしたが、結局かつての村の有縁ではない、別の有縁を求めることになりました。

 この別の、いわば都市型の有縁社会は、終身雇用の企業であったり、あるいは新宗教団体が、その形成の担い手になったと、島田氏は述べています。

 今、上司と部下の濃い人間関係、あるいは家族ぐるみの企業文化はすっかり衰退してしまいました。
 都会の人々は、新しい有縁を求めて蠢いているのかもしれません。

 そんなことを本を読み進めながら考えていたとき、
「そうだ、シェアハウスの起源はきっと、この文脈の中にあるな。」
 と一人呟いたのでありました。 
 


GDP失速

 昨年の10~12月のGDPが2四半期ぶりに失速しました。
実質で年率2.3%、名目で3.1%の減少です。

 震災復興需要が期待される中、どうも、上昇気流に乗れない日本経済であります。
 むしろ、経済縮小にギアが入っている感じで、民間の経済動向調査の中でも2012年度の個人消費が縮小する見通しが示されているものが目に付きます。

 円高やらユーロ問題ということが原因とされていますが、どうも一番大きな原因は「陰鬱デフレ気分」のように思います。
 テレビをつければ、ニュース番組系は暗いニュースが占めています。特に年金の絶望的見通しと、消費税増税が、超重い感じで、そんな気分になるのも仕方のないことでしょうけど。。。。

 近いうち消費税増税なら、値の張るものは今のうちに買っておこうと、駆け込み需要がありそうな気がしますが、どうもそんな雰囲気にはありません。
 マンションも、もっと売れていいように思いますが、分譲会社大手の景気はいまひとつ盛り上がっていません。

 駆け込み需要よりも、デフレ気分の方が、きっと勝っているからでしょう。
こんな状態が続くと、消費税増税がさらに需要逼迫を起こし、GDP縮小、さらには、税収の急減も招きかねません。
 財政再建を目論んで消費税増税をしたら、むしろ財政が悪化する、なんて最悪のシナリオが頭をよぎります。

 ここは、何よりデフレ気分退治が先決でしょう。
 金融&税制で不動産市場を活性化する方針を切に望みます。


無常感の日本

「無常という力」(玄侑宗久著)では鴨長明の「方丈記」を解説、震災に襲われた現代との比較がなされています。

 平安末期、鴨長明が生きていた時代は、災害や飢饉、一時的遷都などの人災が多発していた時代でした。
著者である作家の玄侑宗久さは福島の僧侶でもあります。
 そんな玄侑さんの被災地感覚が、平安末期の日本と今の共通点を浮かび上がらせています。

 玄侑さんが、震災後、本を読む気力が萎えてしまったとき、手に取ったのが、「方丈記」であったとのことです。
彼が方丈記を何回も何回も読むうち、日本に古来伝わる「無常感」について「方丈記」に導かれ理解を深めていく様子が「無常という力」によく描かれています。

 古来から、火山国であるが故の地震、また台風などの風水害が多発する日本では特に、人の命をはじめ、今あるものが、永遠には決して続かないという「無常感」という概念が醸成されていったのでした。

 「方丈記」で鴨野長明は、人生(命)自体が「仮の宿り」、儚い繋でしかない説きます。そして、そうであるのに、その人生の主(あるじ)である「人」が、何故その棲家(住居)に拘り、立派な家を建てたりするのだろう、と呆れています。

 さて、日本では現代、諸外国に比して、建物の価値は、どんなにお金を掛けたものでも、あまり評価されません。
 どうやらこういった慣行も、日本人のDNAに刷り込まれた「無常感」に起因しているのかもしれませんね。
 
 そんなことを思っていたとき、やはり土地の賃貸が日本の特性を考えれば、理に適っていると、一人納得しました。
 ということで「底地投資」は災害日本、無常感日本にもってこいの不動産投資なのではないでしょうか。
 


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