「日本辺境論」(内田樹著 新潮新書刊)を読みました。やや難しいところはあるものの、それこそ一気に読み通してしまいました。
近時、日本はいろいろな意味で特異性を発揮しているように思えます。世界の他国との違いが目立つのです。経済で言えば例えば金利水準です。かつて低金利であったことで有名なのが17世紀のイタリア・ジェノバです。およそ20年間、国債の金利が2.0%以下であったとのことです。今の日本は2%よりかなり低い長期金利です。そしてこの低金利状態がもう既に10年以上続いています。ひょっとするとイタリア・ジェノバを凌ぐ記録的低金利として歴史に刻まれるかもしれません。
また先ごろのG20では各国の財政再建の方針に日本だけが例外として扱われました。驚異の財政赤字国です。それなのに通貨高且つ低金利であります。
これについては自国内で国債を消化していることや、他国への債権が巨大であることなど、説明が施されてはおります。しかし、やっぱり他国と比して極めて特異な状態であります。
また政治で言えば他の国では考えられないほど国のトップがコロコロ替わっています。たぶん他の国だったら国自体が崩壊してしまってもおかしくないところです。(何故か国民は平然と(?)暮らしています。)不思議というか、節操が無いというか、まあとにかく特異です。
文化的にもマンガ、オタクといった奇妙なテイストが大流行です。
どうしてこうも日本は「変」なのか、何とか腑に落ちたい今日この頃でしたが、この本は私なりに、ちょっとその「解」へのヒントになったような気がしました。
(そんな中、「文明の生態史観」等で日本文化の特徴を説いた梅棹忠夫さんが亡くなりました。「日本辺境論」でも梅棹氏は大いに取り上げられていましたので、ある種の感慨を持ちました。ご冥福をお祈り申し上げます。)
さて、日本辺境論では、日本人は、地勢的に辺境に位置していることもあって、いつも回りをきょろきょろ見渡す付和雷同型の性質を持つのが特徴である、と説かれています。また日本は他国から常に後れている感を持っているため、他国の文化をどんどん取り入れて、その上有用なものだけを取り入れて(後は捨てていく)いくことを繰り返してきたとのことです。どうもこんな民族は他にはいないようです。
きょろきょろして、いろんなものを、ごった煮にして吸収したもんで、「変」になっちゃったようです。
さて読後、東京は正に「ごった煮シティ」なんだ、そしてそれはそういう理由だったんだ、と妙に腑に落ちたのであります。
でもこの「ごった煮シティ」は世界で最も珍種都市ですから、きっと魅力があるはずです。そして東京の価値も、そんなところに見い出せそうです。







