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第9版本日あたり書店に

 1996年、バブル経済崩壊の少し後に自著(共著)の「プロが教える競売不動産の上手な入手法」(週刊住宅新聞社)の初版が発刊されました。

 以来この本は今から5年前の2005年7月まで版を重ね、第8版まで発刊され続けてきました。
この本の歴史は、民事執行法や民法の改正の系譜と重なります。
 第8版発行後も、細かい点などが改正などされ、改訂第9版発行のご依頼も出版社から頂戴いたしておりました。
 しかし今日まで改訂版発行作業が延びてしまった原因は、小泉改革のとき検討課題となった競売の民間開放の件でした。
 これは当時「官から民」への大きなうねりの中で、競売もアメリカで行っている非司法競売(オークション)方式のような民間競売の制度を取り入れたらよいのでは、という考えです。

 この件については、学者さんなどで構成されたワーキンググループで幾度となく議論されました。
 そして最終的に出た結論は、現状の日本の競売制度はうまく機能しているので、このままで良いのでは、ということと、任意売却を促進するために、担保権消滅請求制度(ハンコ代を請求する後順位抵当権を裁判所が第1抵当権者と債務者・所有者の申立に基づき抹消をする制度)を作ろうということでした。
 この制度については法律案も作成され、いよいよ国会へ上程される日も近いというところまで来たのです。昨年年初の話であります。
 改訂本ではこれにつき、かなり紙幅をとって解説しようとしておりましたもので、最終的な内容を確認したところで改訂版を発刊しようとしていたため発刊の日程がずれ込んでいたというわけです。

 ところが、その後政権交代もあって、この法案が国会に上程されることがありませんでした。
そんなわけで、今回は当分この制度が実施されないだろうということで、この件については軽く触れるのみとし、その他の変更箇所を修正して第9版として発刊することになりました。

 どうぞ書店でお見かけになりましたらお手に取ってみてくださいませ。(アマゾンでご注文もどうぞ!!)


築古木造アパートの隠れた魅力

 先日ある会合で、とある会社のオーナーさんに築20年超の木造アパートを紹介して欲しいと言われました。

 収益物件でオーダーが多いのは、当然築浅で鉄筋コンクリート造の一棟マンションなどです。築古で木造のアパートを何故欲しいのだろうか...
 その答えは減価償却にあります。賃貸住宅の減価償却は現在定額法のみであります。また償却において残存価額はほとんど無く1円まで償却できつようになっています。
 一方償却期間でありますが、例えば木造アパートの場合は法定耐用年数(22年)を超えたものは22年の0.2の年数となり4年(端数切捨て)で償却できることになります。
 
 例えばある築25年の土地付アパートを5000万円で購入したとして、仮にその5割を建物代金ということで売主に設定してもらうと、購入後毎年、4年間は5000万円×0.5×0.25(1/4)=625万円が減価償却として経費計上が可能になります。ということは、そのアパートが年10%の利回りだとすれば賃料収入は500万円ですが、これをうんと上回る経費を計上できますから、このアパートの収入に対する所得税やら法人税は掛かりませんし、なお且つ他の賃貸物件の所得の節税にも寄与します。

 確かに財産家にはかなり有効な節税対策になるんですね。古いものは古いことで価値が出ることで、古いものを大切に運用することになるのであれば、何か地球にも優しいエコな感じで良い気がします。


リセールバリューと都心距離

 東京カンテイがこのほど発表した、首都圏西部に延伸する鉄道7路線の築10年後の中古マンションのリセール価格を分析したデータに興味を惹かれました。

 これを見ると都心からの距離とリセールバリューに大きな相関があるのが分かります。
JR中央線でみれば、10km圏では91.1%、20km圏では87.2%、30km圏では77.0%、40km圏では67.6%、そして50km圏では60.8%といった具合です。

 マンションは立地が大きくその価値に影響するのが分かります。さらに駅からの距離とリセールバリューとの相関をみると、おそらく同じように駅からの距離が近いほどリセールバリューが高いという結果になると思われます。

 マンション価値が都心までのアクセスの長短に強く影響を受けるのは、マンションというものが、物理的な価値というよりも、空間利用権に近いということだろうと思われます。
 このところの中古マンションブームも、既存物件の立地が、新築物件には無いものが多くあることが、その要因でしょう。

 マンション投資では、このマンションは「空間利用権」という考えで、優先順位1番を「立地」とすべく肝に銘じたいところです。


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