知人と話ていたら、ちょいと昔は「土地神話」と並んで「住宅すごろく」なんていう言葉があったね。という話題になりました。
かつて私が新卒で不動産業界に入ったころ、この「住宅すごろく」ということが言われていました。それはまず結婚したら賃貸アパートからスタートし、せっせと稼いで頭金を貯めたところで、マンションを住宅金融公庫や銀行融資など住宅ローンを使って購入します。
その後、主は会社で管理職に昇進し、役職手当が付いて収入が増えていきます。一方で住んでいるマンションの価格も上がります。そこで住んでいるマンションを売り、住宅ローンを一括返済し、残ったお金と貯金をあわせ、それに多少の住宅ローンを用いて、遂に念願の一戸建てを購入!
めでたし。めでたし。住宅すごろくのゴールというわけです。
しかしそれから30年、まず住宅すごろくをスタートした人たちの多くは、あてが外れます。それはまず住宅ローンを使用して購入したマンションが値下がりしたこと。さらに増えるはずの収入が一向に増えないことから、一戸建てへの買い替えというステップが踏めません。すごろくはここで頓挫です。しょうがないのでリフォームでもして何とかそこで暮らします。さてマンションは古くなるしこの先どうしますか・・・
一方運よく早目にすごろくを開始し、郊外の一戸建を購入した方々は高齢化が進展しています。子供たちは独立し、同居することなくガランとした家の維持に手を焼くことになりました。何より自身の体力低下から車に乗らないでも生活できる利便性が必要になってきました。(当初一戸建を買うときは老後は土いじりでもと思っていたのに・・・)
そんなわけで郊外一戸建て住まいの老人は駅近のマンションへ引っ越すことになってきました。さてこの時古くなった戸建が首尾よく売れますかどうですか・・・
すごろくのゴールに到達したはずが、実はその先があったわけです。
かつての住宅すごろくは崩壊しました。高齢化とデフレ傾向の社会が当分続きそうなこれから、不動産業界は新しい住宅すごろくを提案して行かねばならないでしょう。そしてそれに向け行政のバックアップも必要になるように思います。
しかしかくも世の中は変わるものか、驚かされます。

