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様子見の受け皿

 取引先からある売り土地についてのご相談を受けました。聞けば世田谷区の等々力駅が最寄駅の整形地、住宅地として人気エリアですし、販売は苦労しそうもないし、はて何のご相談か

 と思っていますと、どうやらなかなか売れなくて困っているとのこと。値段はと見れば約52坪で7900万円弱、一坪150万円くらいですので、そんなに高い感じがしません。
 ところが、これが全く駄目で、売主さんは6000万円以上なら売っても良いとのことなのですが、びっくりしたことにそんな価格でも買主が現れないとのことです。

 購入希望があったレベルは5500万円が最高だったそうで、これですと一坪106万円弱にしかなりません。はて千葉か埼玉の土地かと錯覚するようなレベルであります。
 しかし、どうも駅から相当離れていることなどから実際売れないようなのです。しかもこの価格では当然路線価以下であります。
 売主さんは顧問税理士にご相談されたところ、路線価以下での売買は止めた方が良いと、強く主張され、売却を当座あきらめることになりました。
 この辺の土地はおそらく1年前であればそれこそ一坪150万円で業者でも買っていったでしょう。タイミングとはおそろしいものです。

 そこで現在更地のこの土地、固定資産税の負担もあるし、賃貸で有効利用しようということになったようです。そこでまず考えたのがコインパーク駐車場でしたが、これが残念なことに幅員4mほどしかない入り込んだ道路にしか接してないことから「不適」とのこと。
 そんな中、私のところがバイク置き場やコンテナ倉庫を提携先にやっていただいていることを知っていた取引先が、相談に見えたというわけです。
 
 値下がりがここ1年くらいで激しい地域では、売主がちょっと前までの相場が忘れられず、売る時期をずらしたいと思われる「様子見」土地が多くなっているように思われます。
 しかし、様子見の暫定利用の定番であったコインパークが最近飽和状態で、且つ車の販売台数の減少も手伝い不振です。
 今これに代わる暫定利用の受け皿が求められています。先の等々力の土地は何とかバイク置き場になりそうな感じですが、果たして地主さんの満足頂ける収入になるかどうか・・・
 様子見の良い受け皿は何処に・・・・

 


路線価公表に思う

 09年の路線価が公表になりました。大都市の路線価がここ数年の上昇から反転し、下落に転じました。

 大都市(東京、大阪、名古屋、福岡)の路線価は平成14年~15年くらいから昨年まで上昇してきました。しかし一転今年は下落です。

 この路線価下落の公表は、融資の収縮に結びつきます。銀行は融資先の担保評価を低く見るようになり、融資額の縮小や、貸し剥がしなどを行います。するとさらに不動産へお金が流れなくなってさらに不動産価格が下がるという負のスパイラルとなります。
 前回のバブル崩壊後の長期地価下落のように下がるとしばらく下がるのが地価というわけです。

 平成14~15年に長期地価下落に歯止めを掛けたのが不動産ファンド、不動産証券化でした。超低金利であった我が国にあって不動産利回りは相対的に高く、この金利ギャップが不動産を証券化を生みました。その結果不動産にお金がどんどん流れ、商業ビルの値段は反転急上昇しました。
 こうなると路線価も上昇し、今度は銀行もお金を出しやすくなり、それがまた不動産の価格を押し上げました。

 しかし、サブプライムローン証券のデフォルトに端を発し、不動産証券化ビジネスは崩壊し、不動産価格は下落の回転に突入というわけです。その結果路線価は下がり、それがまた不動産価格を下げていくでしょう。

 路線価は地価トレンドの結果でもあり、原因でもあるのですね。
 今度地価下落トレンドを転換する時には、また証券化のような何か新しいきっかけが出現するように思えます。さてそれは何か・・・


不動産会社クライシス継続中

 帝国データバンクの09年上半期の上場企業倒産の動向調査を見て改めて不動産会社の危機ぶりが感じられます。

 09年上半期に上場企業倒産は18件発生していますが、そのうち過半の10件が不動産業であります。大きいところでは、日本綜合地所(負債1975億4900万円)とジョイント・コーポレーション(負債1476億円)です。倒産会社のそれぞれは、在庫の販売不振による資金難と不動産市況の急激な悪化から発生する在庫の巨額の評価損により債務超過に陥り倒産という結果になってしまっています。

 また民事再生や会社更生という「倒産」という形でないにせよ、実質債務超過の懼れから「継続企業の前提に関する注記」が監査報告書に記載された上、監理銘柄になってしまっている不動産会社もあり、今後も倒産不動産会社が発生する可能性も十分あります。

 こういった会社の再起にあたっては、ポイントは支援するスポンサーがいるかどうか、そしてそのスポンサーに債権者の銀行等が納得する力があるかです。
 倒産または経営危機の不動産会社の多くはマンションデベロッパーなどの開発・売買業者ですので、多くの賃料を生むビルなどの固定資産は所有していないケースがほとんどですので、この点スポンサーが付きにくいと言えますし、マンションデベロッパーに特殊ノウハウなどが無いこともスポンサー付けが困難な要因であります。
不動産会社クライシスはまだまだ続きそうです。


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