このたび政府(自民党)の競売制度研究会の「明るい競売PT第8回会合」で任意売却を促進するための担保権の消滅に関する法律案(仮称)要綱(案)が出されました。
この法律(案)は担保設定されている不動産を競売によらず「任意売却」しようとするとき、現状より円滑にするものです。
この法律(案)が出てきた発端は、随分前からこの会合では不動産競売を民間開放を自民党などで検討していたことにあります。いろいろ研究の結果、不動産競売は現行制度のままとという意見になりました。(一部の弁護士会などの反対もありました。)
確かに現状の競売制度は前回のバブル崩壊直後のように売却率が低く、処理時間が長いという問題はほぼ解決され、競落価格も決して低すぎるようなこともありませんので、無理に民間への移管は必要ないと思います。むしろ民へ移管すれば、不法占有者への対応などでマイナス面が多々出てきそうです。
それで、この会合は任意売却の方に目を転じました。つまり例えば1番抵当権者に対し債務者・所有者が任意売却に同意しても、2番抵当権者などが抹消に応じないため任意売却が成立しない状況を改善しようと考えたのです。
具体的には1番抵当権者等が裁判所に2番抵当権などの担保権を消滅させる許可を申立て、それを裁判所が認めた場合に裁判所に代金を支払い、裁判所は所有権の買主への移転と、担保権の抹消登記を法務局に嘱託するというものです。
この制度ができたら、それでいくらか効果はありそうですが、実は現状では抵当権者が複数であるケースは前回のバブル崩壊時と相異してあまり多くありません。もし担保権が1つであれば、これはもう債務者等が協力的であれば裁判所を関与させるまでもなく、通常の売買手続きで処理できます。
従ってあまり利用されることがないように思うのです。
ただもし、この制度で税金の差押などを消滅できるとすれば、これはもう随分と利用されるように思います。任意売却阻害の大きな要因は、今や税金の差押であることが多いのですから。
しかしこれは税金徴収を重きにおくこれまでの考えからすれば、政府はやらないでしょう。
なかなか膝を打つ、良い政策にお目にかかれない今日この頃であります。







