不動産市場の土砂降り状況は競売市場にも影響が顕著になってきています。期間入札で応札がなく特別売却に回る物件も増加してきています。でも前のバブル崩壊後よりも競落率は売却基準価額制度のお陰で高い水準にあります。
前のバブル崩壊後、競売不動産が裁判所に溢れ、処理するのに裁判所は、てんてこ舞していました。競落率も3~4割しかなくて、どんどん積み残し(未済処理)物件が累積していったのでした。
競落率を上げようとなるべく民事執行法を改正してきました。その一つが「最低売却価額」の廃止と、それに代わる「売却基準価額」制度の導入です。これは従来の最低売却価額未満の入札を無効としてきたのを、その水準と同様に定めた売却基準価額の2割引きの「買受可能価額」以上の入札であれば有効な入札としたものです。
ただ残念なことに改正議論に時間を掛けすぎたこともあって、この制度が制定された平成17年4月以降は不動産市況が上向き、実際には売却基準価額を下回る落札などほとんどなく、90%を優に超える落札がずうっと続きました。何かとってもタイミングを逸した改正であったように思えました。
しかしこのところ、この制度が大活躍です。つまり落札物件のうち2割程度が売却基準価額を下回っての落札になってきたのです。従前の制度であればこれらは全て特別売却に回った後、その多くが価額を見直され再度売却ということになり処理に時間が掛かったものと思われます。
実に売却基準価額制度が処理効率アップに貢献してきているのであります。政府が現状を予測していたとは思えませんが、結果として、「先見の明があった改正」であったと言えそうです。







