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一棟丸ごと空!!

 11月30日の日経新聞一面に、トヨタ自動車九州の派遣社員の大幅削減により、福岡県の仲介業者が賃貸住宅の入居者がばったり途絶えたとの記事が載っていました。

 中にはアパート一棟丸ごと空室になるケースも出てきているとのこと。オーナーにとっては、正に晴天の霹靂でしょう。トヨタの社員がメインテナントであれば、極めて安定した収入がある収益物件であったわけで、一転ピンチになって大変戸惑っておられることと思います。

 不動産賃貸をしている身には決して人ごとには思えないところです。急激な景気後退ではこのトヨタの例のような地方の場合だけでなく、借り上げ社宅など特定な企業等に大きく依存している収益物件は安定収益確保には弱い状況になってきています。

 また、景気後退期には景気敏感型のテナント向け物件もリスクが高まります。
そんな空気は金融機関の融資基準にも明らかに反映しています。標準的な築浅の共同住宅に比して一部店舗や事務所があると、ぐっと評価が低くなっております。
 益々評価される収益物件のストライクゾーンが狭まっています。


売却基準価額制度に先見の明を見る

 不動産市場の土砂降り状況は競売市場にも影響が顕著になってきています。期間入札で応札がなく特別売却に回る物件も増加してきています。でも前のバブル崩壊後よりも競落率は売却基準価額制度のお陰で高い水準にあります。

 前のバブル崩壊後、競売不動産が裁判所に溢れ、処理するのに裁判所は、てんてこ舞していました。競落率も3~4割しかなくて、どんどん積み残し(未済処理)物件が累積していったのでした。
 競落率を上げようとなるべく民事執行法を改正してきました。その一つが「最低売却価額」の廃止と、それに代わる「売却基準価額」制度の導入です。これは従来の最低売却価額未満の入札を無効としてきたのを、その水準と同様に定めた売却基準価額の2割引きの「買受可能価額」以上の入札であれば有効な入札としたものです。

 ただ残念なことに改正議論に時間を掛けすぎたこともあって、この制度が制定された平成17年4月以降は不動産市況が上向き、実際には売却基準価額を下回る落札などほとんどなく、90%を優に超える落札がずうっと続きました。何かとってもタイミングを逸した改正であったように思えました。

 しかしこのところ、この制度が大活躍です。つまり落札物件のうち2割程度が売却基準価額を下回っての落札になってきたのです。従前の制度であればこれらは全て特別売却に回った後、その多くが価額を見直され再度売却ということになり処理に時間が掛かったものと思われます。
 実に売却基準価額制度が処理効率アップに貢献してきているのであります。政府が現状を予測していたとは思えませんが、結果として、「先見の明があった改正」であったと言えそうです。
 


スター転落

 今朝あの小室哲哉氏が逮捕されたとの一報に驚かされました。時代の寵児として、音楽界に君臨したスーパースターですので・・・

 小室氏の母校早稲田実業には小室氏の名前を冠した音楽ホールがあるとのこと。さぞや学校も対処に苦慮しているものと思います。
 もちろんそれだけでなく、今までの功績が大きかっただけにこんどのことで、他にも対処に苦慮している団体などがあるのではないでしょうか。
 今度のことでとても感じたことは人間や、物事全般についての評価というのは短期間には確かなものにはならないということです。

 米国発の金融危機が今年世界を席捲しています。この金融危機の端緒はご存知サブプライムローン問題です。しかし、本当の原因は、このサブプライムローンを証券化し、世界中の投資家に販売したことにあります。つまり考えようによっては証券化そのものが原因ともいえます。
 1990年代後半から、証券化の手法は新たな金融手法として脚光を浴びました。私も当時、不動産市場の再興に欠かせないニューテクノロジーであると確信したものです。
 まさに小室氏の作り出すニューミュージックが先進的音楽として人口に膾炙していたのと同じような時期です。証券化ビジネスの破綻による金融危機と小室氏の逮捕、何か皮肉なものを感じてしまいます。

 証券化の行き詰まりは現在のREIT市場の低迷とも関係しています。一時もてはやされた「金融工学」なる学問も人気凋落状態でしょう。
 しかし、小室氏の作った楽曲自体の素晴らしさは、きっと将来的にも失われないように思うのと同じで、今後も証券化手法の優れた点は決して色褪せないように思います。今回は調子にのってやりすぎたと言うことなのでしょう。
 「もう一回我に返ってやり直す。」そんな精神を大切にしてもらいたいものです。


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