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エクイティ消滅

 今年に入って不動産市況が悪化の後、運用期限を迎える不動産プライベートファンドが数多くあります。そのファンドのうち相当数のエクイティ投資家は大きな損害が出るでしょう。

不動産プライベートファンドの市場規模は運用資産ベースで約7兆円です。このうち約70%がローンでの調達で、残り30%がエクイティ部分だと思われます。

 つまりリスクをとって不動産プライベートファンドに突っ込んでるお金は2兆円強ということです。
ファンドは3~5年の運用期間を経過すると、物件を売却してローンの返済と、エクイティ投資家への償還をする場合と、リファイナンス(ローンの期限を延長)して運用を続ける場合があります。
 さて今運用期間が終了を迎えてきているファンドの多くでは、リファイナンスの途が閉ざされています。その理由はファンドが保有している物件の評価が下がってしまっているのと、金融機関が不動産融資をしなくなっているからです。

 ということは運用期間を終えるファンドは物件を売らなければなりません。そんなことで巷にはファンド保有売却物件がどんどん供給されてきています。実は昨年まではファンド売り物件が出ても他のファンドが買ってくれたりしましたので、それなりに捌けていました。しかし今はファンドの新規設定も減ってきていますし、外資などのファンドもかなりサイズが大きいもの(50億円以上など)でないと投資をしませんので、一番ファンドが多く保有している数億円サイズの一棟ものは実物不動産の投資家に売らねばならないのです。

 ただ売ろうと思っても肝心の買主がなかなかいません。また、買いたい人がいても、購入資金を銀行が融資しなくなっているか、もしくはかなり厳しい物件評価などをするので、結局買えないという実情です。
 いずれにしろ売却価格がファンド購入時点から下がる場合が生じます。特に3年前くらいの既に価格が高くなっていたときの仕入れ物件は現在では大きく下がることになります。
 結局エクイティ部分が「ゼロ」になるケースが多発することになります。

 俺はプライベートファンドなんかに投資していないからヘイチャラだと、思っていると駄目です。投資がパーになるファンドのエクイティには企業年金などの運用資金もあります。そのほか投資信託やらなにやら個人に関係するお金が入っています。エクイティ最大2兆円の消滅で皆さんにとばっちりが来ないとは限りません。クワバラ クワバラ


嵐の前の・・・ でないことを祈る

 今月はじめに報道された「六会コンクリート」問題はどのようになっているのでしょうか。一部分譲マンションにおいては契約者に手付け倍返しで売主側から解約しているとの噂も出ていますが・・・

 この問題は神奈川県の六会コンクリートという会社が、法律に反して「溶解スラグ骨材」なる材料を使用してコンクリートを出荷し、これを用いた建物があることが分かったというものです。
 現在横浜市と藤沢市の2物件について、国土交通省は公にしています。(これらの物件は現在工事停止中です。)そして今後このコンクリートを使用した建物等を特定していく方針とのことです。

 このコンクリートを躯体部分に使用した建物には「ポップアウト」という、コンクリートの表面部分が、コンクリート内部の膨張圧により部分的に飛び出し、剥がれてくる現象が起こるのだそうです。
 要するに寿命が短いコンクリートになっちゃうわけです。

 発覚当初ちょっとテレビなどで画像が流れ、六会コンクリートの社長が謝罪会見をしていましたが、その後すっかりワイドショーなどで取り上げられることもなく不気味な様相であります。
 そうこうしている間に、どうも藤沢の分譲マンション(プラウド藤沢)では建替の話が出ているとか、大船の分譲マンション(パークホームズ大船)では手付倍返しで解約してとりあえず白紙に戻すことにしているとの話も漏れ聞こえてきます。

 ただでさえマンション不況の今日この頃で、この問題が大きくなることは、マンション業界や建設業界、そして監督官庁である特定行政庁や国土交通省に相当なダメージを与えることになるかもしれません。
(日本経済全体にだって波及するでしょう。)
 このところのこの事件の報道の沈静化は何を意味しているのでしょうか。
 実際大したことがなく、騒ぐ必要がなのであれば、それに越したことはないのですが・・・
「嵐の前の静けさ」でないことを祈りたいところです。
 
 


後が無い株価?

 新興不動産会社の株価が暴落し続けています。1年前の3~4分の1になっているのが平均的で中には10分の1以下の会社もあります。

 03年のころ日経平均は7000円台まで落ち込みましたが、そのころゼネコンの株価も暴落してました。当時株価100円未満のゼネコンはみんな危ないなどと言われたものです。
 しかし今回の新興不動産会社の株価はそんなレベルではありません。1000株単位に引きなおした株価が50円を下回る会社が散見され、中には20円以下の会社もあります。

 ちなみに2000年時点で、倒産上場会社の倒産時の株価は70円弱であると聞いたことがあります。
とすれば、現在の状況は株価だけ見れば倒産オンパレードになりそうな感じであります。
 しかし現時点ではそれほど多くの上場不動産会社の倒産はありません。これはやはり不動産会社が手形の発行があまりないことにありそうです。

 物件を売却して現金化して、運転資金を確保し続けられる間は資金ショートがありません。銀行返済はジャンプしてもらう交渉もできます。
 しかし、上場会社の鬼門となりそうなのが社債の償還です。社債の引き受け先は多様で、償還のジャンプはできません。現金等の準備がなければ新たに社債を発行して償還原資を確保するなどしなければなりません。しかし株価の低迷などで社債発行が困難か、とてつもない金利条件などを付さなければ引き受け先が無いとなれば・・・ そこで命脈が尽きることになりそうです。

 不動産会社の倒産は時間差攻撃にて起こりそうな、そんな予感がします。


えげつなくなりそう

競売物件の中には賃貸借契約の存在不明、という内容のものがあります。
執行官が現況調査 時に、実態がよく確認できないものの賃貸借契約の存在を主張するものがいるというケースなどです。

 こういった場合、例えば「○○が賃借権を主張するが明らかでない。売却基準価額は賃借権が存在するものとして設定した。」などと物件明細書に記載されます。
 この曖昧な状況が落札後に結構厄介なことになりがちです。

 明らかでない賃借権を主張するものは大抵競売妨害で落札者から何らかお金をせしめようとする輩であったりして、まともでないケースが多く、後に競落後買受人との間でトラブルになります。しかも賃借権不明者の場合は引渡命令についても確定させるのに手間がかかりがちで、送達先も大抵明らかでないため公示送達を要したりもします。
 しかもこういった物件では事件記録に登場しない第三者が賃借権の主張をしてくることもあります。つまりこのようなケースでは債務者の債権関係が入り組んでいることが多いのです。

 曖昧な権利であれば裁判所もきっぱり否定してくれれば良いのですが、現実にはそうもいかないようで、「賃借権があるかもしれない」と言う玉虫色決着になってしまいます。しかも場合によっては6ヶ月の明渡猶予も与えたりしていて、賃借権主張者がゴネ易くなっていることもあります。

 実はこのところこういったケースの対処について相談が数件続いており、悪質なケースが増加しているように思えます。今不動産業界は土砂降りです。リストラの嵐も吹きまくっている現状で、金になりそうであれば、えげつないこともやってしまう輩が多くなっているのではないでしょうか。
 皆様どうぞご注意を!「賃借権不明」は厄介です。

 


連鎖反応の恐怖

 新興不動産会社の株価が著しく低下しています。株式時価総額が貸借対照表上の純資産の3割未満(PBR 0.3未満)という会社もあります。

 特殊な会社が1,2社そうだと言うのではなく、新興不動産会社の多くが程度の差こそあれ純資産を割り込む時価総額であります。
 よほど新興不動産会社の財務諸表が信用されていないとしか思えません。確かに在庫不動産や仕掛り販売用不動産(開発中)の価値についてはなかなか財務諸表を睨んでも分からないのも確かです。

 また新興不動産会社の借り入れ先である銀行も株式投資家と同様怖気づいているように思います。
このところの新興不動産会社の貸借対照表を見ると長期借入金が減少しているのが目に付きますが、これは銀行が融資を引き上げている証です。
 しかし銀行から融資を返済するには在庫を捌いてお金にするか、他から調達せざるを得ません。このご時勢高値掴みの不動産は容易には売れないので、結局金利の高いノンバンクなどから借り入れるか、CB(転換社債)を発行してお金を手当てすることになります。またCBは引き受け先が無いと発行はかないませんし、引き受け先があっても金利や株式への転換条件などはかなり不利になるでしょう。

 つまりどんどん経営状況がスパイラル的に悪化していっているわけで、株価の急落にさらに拍車がかかっているのです。
 そして現在起こりつつあるのが倒産の連鎖反応です。新興不動産会社はどこも同じような財務状況ですので、憶測が憶測を呼びます。 まだまだ薄ら寒い状況が不動産業界を覆いそうです。というかこれからが本番か・・・


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