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ファンドデフォルト

 大阪本社の新興不動産会社レイコフは民事再生中でしたが結局スポンサーが付かず破産になってしまいました。破産になると破産会社の財産は破産管財人の手によって管理されます。売却する場合も破産管財人によって行われることになります。

 レイコフは子会社などで複数の不動産ファンドの運用をしていました。レイコフの破産によって不動産ファンドはどうなるのでしょうか。
 不動産ファンドは特定目的会社やら有限会社やら合同会社という法人がSPCとして不動産(信託受益権)を所有していて、金融機関からノンリコースローンを借り入れています。
 運用を担当するレイコフが破産した場合を想定して不動産ファンドは運用会社や物件を供給した会社(オリジネーター)から倒産隔離が図られています。つまりSPCに資本(エクイティー)を投資した投資家やノンリコースローンの債権者を保護する措置がなされているわけです。

 かつて証券化の仕事に携わっていたころ、倒産隔離の方法など勉強していましたが、まさか本当にこれが機能するように、またこんなに早くなるとは思いませんでした。
 おそらく倒産隔離のみならず、ノンリコースローンの債権者はSPCとレイコフ等との間で締結されている運用委託契約等についても質権などを設定し(これによって債権者の都合で運用委託先が変更できるようになっています。)不測の被害を防御しているはずです。

 つまりはレイコフが倒れてもレイコフの運用するファンドは当座生き続けられるというわけです。しかしレイコフ運用ファンドは順次その運用期限を迎えつつあります。果たして今後損せずに運用物件を第三者へ売却したり、エクイティ投資家やローンの出し手を募って運用期限を延長できるでしょうか。
 それは兎にも角にも運用物件の中身です。

 今業界に出回っているレイコフ運用ファンドの売却物件は、その予定売却価格では到底買い手が付かないものばかりが目に付きます。ざっと3割程度は高い感じです。ということは物件価格の8割くらい(LTV約80%)をノンリコースローンを借り入れているとすれば、もし3割引きで売却すると、まずエクイティー投資家の元本はパーでしょうし、ローンの債権者も貸し倒れが生じる可能性があります。

 ローン債権者は貸し倒れしたくなければファンドをデフォルト(ローン期限一括返済不能)に追い込んで物件を取っちゃうことも考えるかもしれません。いずれにしろエクイティ投資家は丸損でしょう。
 不動産ファンド投資は倒産隔離が完璧でも物件が腐ってしまえば結局大損なのであります。

 あとエクイティー投資家は国内の地方金融機関等であったりますので、ファンドのデフォルトが相次げば金融機関が多くの不良債権を抱え、日本版のサブプライムローン問題となり、再び金融不安が起こることとも心配されます。
 あー恐!


ハゲタカ再来?

 昨今ミニバブル崩壊で苦境に立つ不動産会社が多く見られます。上場非上場問わず収益ビルなどを不動産ファンドやREITへ売却する予定で仕入れた物件が悉く売れないのです。

 不動産会社そのものでなく、不動産会社が投資家や金融機関のお金を集めて作った不動産ファンドも多くが苦境に立っています。ファンドの期限がやってきても再びローンを付けることができず、他のファンド等に売却することもできません。

 これまではミニバブルでの儲けの蓄積もあって、損切りしてまで手持ち物件を売却することはありませんでしたが、いよいよそんなことも言っていられなくなってきました。価格大幅見直しで早期売却を狙います。
 しかし値下げの効果あって仮に買い手が表れたとしても、さらに障害として立ちはだかるのは購入資金のローンがなかなか付かないという問題です。その結果売買が進まず頓挫するケースが多々生じています。
 
 値下げしても物件処分がなかなか進まない不動産会社やファンドが目に付くようになってきたこのタイミングで、姿を見せ始めたのがまたもハゲタカです。
 ハゲタカはキャッシュで不動産会社やファンドの保有している物件を丸ごと、叩いて買おうとしています。「時代は巡る、ハゲタカ再来」です。
 
 
 


任意売却の促進

 本日(6月3日)の日経新聞1面に任意売却促進のために担保不動産の後順位抵当権者などの権利の抹消が簡単に出来る制度の導入について掲載されていました。

 不良債権化した担保不動産を換金しようとするとき、2つの方法があります。それは一つはご存知「競売」と、もう一つが「任意売却」です。
 任意売却で処理できれば強制換金である競売手続きを踏まず債権者は安く、早く且つ多く債権回収ができるというのが一般的です。任意売却を進めるには、まず物件所有者(債権者など)の協力が無ければできません。しかし物件所有者の協力が得られても債権者、特に後順位の抵当権者である債権者の担保抹消などへの協力が得られなければ進みません。

 もし競売になったとしても配当には到底預かれない後順位の抵当権者(債権者)は、この抹消に同意する見返りたる「判子代」を要求したりします。この判子代がやたらに高額であったりすることで任意売却が進まないことがこれまで多く、この場合は仕方なく競売に進むことになっていました。

 もし、新聞記事のように後順位抵当権者(債権者)の債権が、仮に競売になっても配当に預かれないような債権であったとき、裁判所の簡単な手続きで抹消できるなら任意売却がかなり円滑になるに違いありません。

 物件所有者(債務者など)が非協力的であれば、従来の競売によって債権回収を図るしかありませんが、仮に協力的な場合は任意売却が進めやすくなり、無駄な競売申し立ても減るものと思われます。
 何よりこういう制度ができれば、後順位抵当権者(債権者)が高額の判子代を要求するなどせず、適切な対価で抹消に応ずることにもなってこういった心理的効果も任意売却促進につながるでしょう。
 さらに、物件価値を上回る抵当権設定なども減り(どうせ無駄な担保設定になるので)、多重債務者の増加抑制の効果もあるかもしれません。
 早期の実施が望まれます。
 


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