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不動産競売民間開放に思う

 本日の新聞報道に政府の規制改革会議が実施した不動産競売の民間開放に関するアンケート調査の結果が紹介されていました。
 
 

 それによれば金融機関で62%、サービサーや保証協会などで67%が民間競売を利用したいとの意向だったようです。
 結果を見ると民間開放は支持されている感はあります。ただこのアンケートは債権者側を中心に実施されていますので、買受側に対して行った場合はどうであるかは分かりません。

 詳しいアンケート内容は分かりませんがおそらく債権者側としては競売の申し立て手続きの簡素化が図れることや、申立手数料が下がることを期待しているのでしょう。
 しかし競売がうまくいくかどうかはスムーズに担保不動産が売却できるかどうかが大事なポイントです。
つまり買い手があっての話なのです。肝心な買受側にもメリットが無いと結局失敗に終わるかもしれません。

 買受側としては債権者の競売申立てがし易くなることはあまり関係ありません。それより担保不動産に思わぬ欠陥がないかどうかや円滑に明渡を受けられるかの方が大事な訳です。
 競売に付された不動産の占有者の多くは明渡を買受人に簡単に行ってくれません。そこでやはり裁判所が発する「引渡命令」や執行官が行う「明渡の強制執行」などのいわば法的制度が必要になります。
 民間開放ではこの点をどうするのでしょうか。しっかり注視していきたいところです。


一休建築士

 今年は3年ぶりに建設会社の倒産が4000件を超える見通しだそうです。建築基準法改正の影響を受け建設着工件数もここのところ毎月前年比で3割減で推移するなど建設業界は正に逆風状態です。

 しかも民間の建設業者のみならず、その元締めたる国土交通省についても、官僚の就職先として人気が急降下状態とのこと。官民問わず業界に暗雲が立ち込めています。
 建設業界には仕事がきついとか談合などの暗いイメージがどうしても付きまとってしまいがちです。公共工事削減の方向も明らかで業界全体の士気も上がっていません。
 また建設技術者は建設業界では改正建築基準法のお陰で必要書類の増大などの手間が増えたため労働環境が更に悪化しています。
 
 ただ同じ国土交通省が監督官庁である不動産デベロッパーに関しては建築系学部を卒業した学生が就職先として、また建設会社勤務の技術者もその転職先として人気があるようです。いわば建設業界からの脱出組みの受け皿といった感じでしょうか。

 しかし来年はこのデベロッパーの方もちょっと黄信号です。郊外物件の在庫は増え続けていますし、不動産私募ファンドの出口物件も売却できず滞留気味です。
 来年以降建設業界の技術者の受け皿として機能し続けるか不透明で、技術者は逃げ場を失うことになるかもしれません。

 「一級建築士」が「一休建築士」にならないことを祈りたいところです。


建築費上昇続く

12月10日日経アーキテクチュアの調べで集合住宅の2006年10月~2007年9月全国平均施工単価は61.6万円で1年前、つまり2005年10月~2006年9月の56.8万円に対し坪4.8万円(8.45%)上昇したことが分かりました。

 61.8万円は全国平均でありまして、関東に限れば77.4万円とのことです。ここのところ随分ハイピッチで上昇しています。中国などの需要増からの鋼材価格の上昇もありましょうが、原油価格の高騰で設備関係の材料費が上昇していることも影響しているかもしれません。

 バブル経済崩壊後しばらくはデベロッパーがゼネコンに坪単価45万円程度での工事発注をしていたことを考えるとかなりの違いです。しかもこの77.4万円というのはあくまで法定延床面積1坪あたりの数字です。マンションには共用廊下もあればエレベーターもあります。実際に販売される専有床面積はマンションによって違うものの法定延床面積の85~90%程度です。この値を「レンタブル比」などと私がデベロッパーに勤務していたころ呼んでました。

 つまり建築費は販売専有床面積1坪あたりでは仮にレンタブル比を88%とすれば77.4÷088=87.95
となり1坪あたり約88万円になります。しかもこれだけではありません。建築するにあたっての設計費用や近隣対策費そして借り入れ金利など考えれば100万円はいきそうです。
 そしてデベロッパーの利益を考慮すれば120万円に・・・しかもこれには当然のごとく土地の購入費用や開発費用は当然含まれていません。これでは新築マンションが高くなってしまうのは仕方ないでしょう。
(もちろんあくまで供給側の事情であり、売れるかどうかは別ですが。)

 中古マンションで坪単価120万円くらいの管理の良い物件は郊外で結構見かけるかと思います。
今後は程度の良い中古マンションが以前に増して新築よりお得になることは確かのようです。


サブプライムローン金利凍結 風が吹けば桶屋が・・・

 アメリカのブッシュ政権はサブプライムローンの借り手の金利を低金利のまま5年程度据え置く対策を金融界と協議して決めたとの報道がありました。

 ある種の徳政令的な政策ですが対象が200万人と、かなり大規模な施策です。
 ところでこの施策のコストは誰が負担するのでしょうか・・・・
 
 この記事を見て思いました。本来取れるはずの金利が取れなくなるのだから、貸し手である民間の金融機関としては損するように思います。しかし政府が民間の会社に「国のためだから黙って損してくれ」と言って民間会社は「はいそうですか」というわけには行かない気がします。

 もっともアメリカの金融機関はお得意の証券化手法でこのローン債権は投資家に販売してしまっていますのでローンの回収などはしますけど、損は背負わない仕組みです。
 ということは損するのはこのローン債権に投資した投資家なのか・・・・
 そしてそのローン債権を買っているのは例えば日本の金融機関であったりするわけです。
 日本の金融機関が損すればそれはめぐりめぐって結局日本の国民に損の付回しが来るのではなかろうか・・

 結局ブッシュ施策の「風」は日本国民という「桶屋」に影響するというわけでしょうか。
 もっともことわざでは桶屋は儲かるはずなのですが、現実はその逆という皮肉な有様です。


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