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建築士受難?

 この6月20日改正建築基準法が施行されました。今般の改正は例の「姉歯事件」に端を発し構造計算の厳密化などが盛り込まれています。

 構造計算については国の指針に基づき従来より厳密になされることになります。審査の時間は長くなりそうですし、費用も従前よりかかるようになるようです。
 
 しかし何といっても実務的にこまるのは、添付図書が増加したことと、一旦確認申請をすると変更が容易にできないことだと思います。
 手間がうんと増えた上に、変更がままならない、しかも確認済みになるまで時間がかかるという現実に現場では不満や混乱が生じているようです。

 特に施主から確認申請を受託している建築士は頭が痛いと思います。
 私もかつてデベロッパーに勤務していたとき、まずはスケジュールが一番気にするところでした。決算に間に合うかどうかについて、建築確認の確認済みまでの期間が予想より掛かれば大きな影響を受けてしまいます。従って時には建築設計事務所のお尻を叩く結果になっていました。この改正でさらに厳しくお尻を叩かれる事務所も多いことでしょう。
 また確認済後のプラン変更も必要になることがあり、かつては12条変更ということで対応していました。今はこの手は使えないということなのでしょう。しかし中には変更できないことをなかなか承知しない施主もありそうです。

 いずれにしろ建築確認申請を請け負う建築士事務所は施主と役所の間に挟まり苦労されているのが想像されます。
 それで手間賃が高く取れれば良いのでしょうが、ただでさえ申請手数料負担が増えるわけですから建築士の手間賃を容易上げられそうにありません。
 建築士泣かせの改正と言えそうです。


50年目の宅建試験

 資格登録者全国で80万人という宅地建物取引主任者。おそらく運転免許を別にすれば日本で一番大人数の職業資格(簿記や英検などの検定関係を除く。)ではないでしょうか。

 その宅建試験が今年50年目を迎えるようです。最初に行われたのは昭和33年、36646人が受験して34065人が合格で、合格率93%と、あんまり難しい試験ではありませんでした。(「名前がちゃんと書ければ・・・」などと口の悪い人に陰口を叩かれたようです。)

 それが不動産業者の各種事件の影響もあってか、難しくしたことから昭和45年頃から合格率が低下し、30年くらい前から15~20%くらいの合格率の試験になりました。
 さてこの宅建試験、これまで延べで何と約640万人が受験していますがその受験人数の推移を見ると面白いことが分かります。

 これまで受験人数が飛躍的に伸びた時期が2回ありました。1回は昭和45年~48年で、88514人から173152人となり4年間で一気に2倍近く伸びました。この時期はご存知「日本列島改造論」を挟んだ1億総不動産屋、狂乱地価の時代です。

 もう1回は昭和60年~平成2年で、104566人から342111人となって何と6年間で約3.2倍に膨れ上がりました。この時期はご存知バブル経済時代です。このときも「歌う不動産王」や「投げる不動産投資家」が登場するほど不動産に手を染める人が多くなりました。

 以上からも宅建試験の受験者数はその時代の不動産市況にリンクしていることが分かります。
ということでここ1~2年の都心ミニバブル現象ともいうべき不動産市況の好転は宅建受験者データから見るとどうでしょうか。
 バブル崩壊後宅建受験者は減少し平成13年には165104人となりました。その後盛り返し昨年平成18年は193573人でした。今年はこれもやや上回るという予測のようです。
 確かにここ数年受験者数が増加していますので不動産市況好転の証かもしれませんが、過去2回に比べるとその勢いは全然弱い感じです。地価の二極化などを反映してるのでしょうか。
 業界の者としてはうんと受験者が増えるほどの活況が嬉しいのですがね・・・


新築ワンルーム港区ゼロ

 このほど発表になった2007年上半期東京カンテイの調べで、新築ワンルーム分譲会社の供給エリアが地価高騰などの煽りで郊外化が進んでいることが明らかになりました。

 東京23区の供給エリアでナンバー1は板橋区です。これまで都心回帰現象で、都心エリア(千代田、中央、新宿、港区)は目立たない状況になっています。
 特に港区はこのデータによれば今年前半6ヶ月は供給ゼロであったようです。一時港区のワンルームマンションは随分供給されたように思えますので様変わりと言えましょう。

 この原因はもちろんワンルーム開発用地が少なくなったことと、あっても価格がすっかり高くなってしまったからです。(分譲するとなると販売商品がかなり低い利回りになってしまい、お客さんがついてこられる限界を超えることになってしまいます。)

 さらに郊外に供給エリアの重点を移したとは言え、新築ワンルームの表面利回りは年4%半ばのようで、だいぶ魅力が低下してきています。
 
 港区で築浅のワンルームマンションを数年前に買われた方はこの辺で利食えるタイミングとも言えるでしょう。


地価天井を示す株価

 路線価の大幅上昇が発表になり、都市部の土地がますます価値が上がるように思えます。地価が上がれば土地を扱う不動産会社の好業績が連想され、そういった会社の株価が上がるはずです。

 しかし、不動産会社の株は決して上昇していません。三井、三菱といった財閥系伝統企業やそういった会社が運営するREITは堅調な株価を付けていますが、それ以外、特にここ最近上場した新興不動産会社の株はここ半年総じて右肩下がりです。

 ここへきてその傾向はかなり強くなっているように思います。こういった会社の決算は決して悪くはありません。というか大幅な成長を遂げている会社も目に付きます。それでも株価は右肩下がり。
 これはどういうことでしょうか。

 投資家のマネーゲームを反映して株価が踊っている面もあるでしょう。しかし根底には都市部の土地の価格高止まりの認識が広がっているからだと思います。
 新興不動産会社はその急激な業績成長を短期的土地価格上昇によるキャピタルゲインに依拠してきました。価格高止まりは新たな土地仕入れでは短期的キャピタルゲイン確保は難しくなります。
 従ってこういった会社の利益率は悪化するかもしくは仕入れが困難になるわけです。

 今業績が良いのは過去の仕入れ物件のキャピタルゲイン実現であり、これからは利益のネタが尽きることが予想されます。株価はそんな実情を反映しているというわけです。
 新興不動産会社の株価は膨大な土地ストックを持っている財閥系不動産会社の株などに比して短期的土地マーケットを敏感反応するということも言えましょう。


底地が動く時代に

 このほど平成19年度の路線価が国税庁から発表になりました。全国平均で8.6%の上昇と、価格上昇が鮮明化しました。この結果は底地・借地関係に微妙に影響しそうです。

 昨年、とある底地の所有者(相続による取得)から数年来借地権者への当該底地売却を依頼されていた案件が終結しました。それまで底地買取に消極的だった借地権者が急に底地買取に意欲を見せ、交渉が一気に進み、底地所有者と借地人双方納得の価格で売買が成立したのでした。

 何年も動かなかった底地が進展した要因は、借地権者が高齢になってきて借地関係を後の相続人のためにきれいにしておきたいということが、先ずはあります。
 しかし、それとともに土地の価格が底打ちし、上昇する気配を見せてきたことがもう一つ後押しの要因になっていたように思います。
 特に当該土地は昨年既に路線価が僅かではありますが上昇していました。これまでは借地人は地価が下落基調でしたから、無理に底地をすぐに買わなくても値段は下がるだろうという意識でした。(地価が上がらなければ地代も上昇しないし・・・)しかしここへきて地価反転が明らかになるに従って借地人の意識にも変化が表れたのだと思われます。

 実際弊社が管理する底地について今年既に1件売却済みで、また借地人からの購入希望が新たに1件きています。
 高齢化と地価反転(路線価上昇)を受けていよいよ都市部の底地が動く時代になってゆきそうです。

 


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