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公庫付懐かしい

 私が不動産会社に勤務していた頃、新築分譲マンションは「公庫付」での分譲が主流でした。億ション以外ファミリーマンション購入者は金利など有利な条件の公庫融資を使うメリットは大きかったし、逆に公庫融資を利用することが購入条件でもありました。

 公庫付マンションの分譲にあたっては売主は住宅金融公庫に発売の前に所定の届出を行わねばならず、その届出には各住戸の価格と、それに併せて算出された公庫融資額の一覧表が添付されていました。
 そしてこの届出における各住戸の価格はその後販売終了まで原則変更できません。販売方法も登録抽選方式とせねばならず、且つその時期や販売価格などは広告により広く告知する「義務」を売主は負っていました。つまり購入希望者としては購入のスケジュールと住戸毎の販売価格がよく分かる仕組みになっていたのです。

 ところがこのところの新築マンション広告は、販売時期や住戸毎の販売価格がさっぱり掴めないものが跋扈しています。私の家の近くに新築分譲タワーマンションが2物件ありますが、その2物件の広告とも販売価格がよくわかりません。興味があれば電話やインターネットでモデルルームの内見を予約するシステムです。

 マンションの販売担当者はモデルルームを見に来たお客に個別に価格を耳打ちすることになります。
件のタワーマンションの一つは、どうも既に先着販売中のようなのですが、販売事務所に行ったところで
価格表は一切見当たりません。

 かつての公庫付のマンションでは大きな販売価格表を貼り出して、登録や販売済みの住戸のところにカラーピンやバラ飾りをつけていきました。
 時代の移ろいとともにマンションの販売方法も随分と変わっていくものです。しかしこの変化はあまり消費者にとっては歓迎されないものかもしれません。「公庫付懐かし」といったところでしょうか。


スパ大爆発

 渋谷のスパが大爆発し、3人の女性が命を落とされました。痛ましいことです。これから事故の原因調査および責任の所在などが明らかになっていくと思います。

 最近確かに東京都内や近郊にこのようなスパ施設が随分増えたような気がします。私もこのブログでも書いたことがあるのですが、近くの温泉施設が気に入っています。これを期に管理者が安全管理に十分注意してくれればと願います。

 さて過日新型のジェットコースターの脱線事故でやはり死者が出てしまいました。またシンドラー社のエレベーターや六本木ヒルズの回転ドアで尊い命が奪われた事故も記憶に新しいところです。今回の事故とこれらの事故と併せて考えると、やはり施設や設備のメンテナンスの重要性を改めて認識させられます。

 近年不動産の世界もハイテクなオフィスビル、商業ビルや高層マンションなど、新しい施設や設備がどんどん導入されてきています。しかしこれら新しいものについて、その安全面や衛生面などの検証や、その後のメンテナンスの規制やノウハウは追いついているのでしょうか。
 今回の事故があったスパの管理は大手の「日立ビルメンテナンス」さんです。それでも事故は起こりました。やはり最終的にはオーナーの意識が重要なのでしょう。

 
 


国土法を思い出す・・・

 6月14日の日経新聞に「不動産鑑定の監視強化」との見出しの記事が掲載されました。これは国土交通省が証券化などの際に行われる不動産鑑定について第三者機関によるチェックをすることや不適切な評価をした鑑定士に対する登録取り消しをする方針とする旨を報じたものです。

 この報道を見て思ったのは、あのバブル潰しのために強化された「国土法」のことでした。当時国土法は取引価格の規制そのものに対し役所が直接指導するものでした。規制のレベルは監視区域の設定により、小さな土地にまで及んでいきました。

 さらに政府は総量規制という政策で銀行に不動産融資を制限し、土地価格の沈静を図りました。これでもかというほどのバブル潰しが行われたわけです。
 しかしこういった施策がなされた時には実際は既に土地価格はピークを迎えむしろ弱含みになっていたのでした。故にこれらの施策はまさに劇薬のように土地取引市場に効き、周知のとおり、まさに市場破壊を引き起こしたのであります。

 今回の国土交通省の方針も形を変えた土地取引の抑制策です。不動産ファンドへの融資規制も金融庁から既に指導されており、国土法&総量規制の施策と今回の一連の政府の施策は見事に被ります。
 しかも今回も土地取引価格は既にピークを迎えています。

 歴史は繰り返すではないですが、またぞろ土地取引市場の破壊が起こらないとも限りません。
今後の動向を十分注視したいところです。


SRF工法

 本日耐震補強工事の工事現場での説明会に行ってまいりました。場所は中目黒で、1階が店舗、2階から6階が住居(1DK30戸)になっている鉄筋コンクリートの建物です。

 耐震補強工事の方法はコンクリートの柱に特殊繊維を巻きつけて補強する「SRF工法」と呼ばれるもので、新しい耐震補強技術です。人間で言えばテーピングみたいなものでしょうか。
 工事期間やコストに優れ、さらに耐震力は鉄板による補強などに比して優るとも劣らないとのこと。
以前「噂の東京マガジン」でも取り上げられていました。

 工事現場に行くと幅10cm厚さ3mmほどのポリエステルの特殊繊維を柱に接着剤でぐるぐる巻きつけていきます。とっても手軽な感じの工事でしたが、鉄筋コンクリート造の建物から木造建物まで守備範囲が広いのだそうです。

 今日はこの工法の特許をお持ちの五十嵐工学博士のお話もお聞きできました。博士のお話ではJR東海の駅舎を中心に約700本の柱の耐震補強工事をこのSRF工法で既におやりになったとのことでした。またこの日も他県のとある市の方々なども見学に来られていて盛況でした。

 これからこの「SRF工法」は耐震技術として有名になっていきそうです。
 


賃貸住宅マーケットの展望

ニッセイ基礎研究所がこのほど発表した「世帯構造の変化と賃貸住宅需要」というレポートには考えさせられました。賃貸市場ひいては不動産ビジネスにも変化が生じるのは確かなようです。

 そのレポートでは「民間賃貸住宅の需要は全国ベースで今後5年ごとに5~6%ずつ減少していき、世帯数の増加がなお続く東京都でさえ2%程度で減少していき、これまで主要ターゲットとしていた40歳未満の若年層世帯が高齢化の影響を受けて急激に減少するため、総世帯数が減少傾向に入る2015年を待たずに民間賃貸住宅需要の減少が始まる。」と記されています。

 もっとも私は東京については、若年者の流入が結構あるので、このレポートほどは需要は減らず、その分地方の減少が顕著になるようには思います。しかしいずれにしろ、東京圏でも年齢別人口構成の変化が、これまでのファミリー型住宅中心の間取りの需要減少をもたらし、高齢単身者や非婚単身者さらにはDINKS系の方々の住まいなどへ需要シフトが起こすのは必至でしょう。

 これからの不動産投資はこういった賃貸マーケットの変化に対応できるようにしたいところです。


公売底地不落札

 6月5日東京国税局の公売入札がありました。この日は底地も多く入札対象でした。中でも足立区千住元町では8宅地纏めて入札対象になりました。

 開札の結果8宅地のうち4宅地だけに入札があり、4宅地は売れ残りました。売れた4宅地のうち3宅地はおそらく借地権者関係であろうと思います。

 ここのところ結構売れ行きの良い底地公売でしたが、今回結構残りました。それはやはり地代に比して見積価格(公売の場合は最低売却価格のことを見積価格といいます。)が高いと判断されたこともありましょう。

 ちなみにそのうちの1宅地を紹介すると土地はほぼ整形地の97.87㎡、見積価額は450万円の底地であります。この土地はちゃんと分筆されていますし、建築基準法上の道路にも面しています。
 正面路線価から推してこの底地の相続税評価は700万円くらいになります。見積価額は相続税評価額の6割程度の水準でしかありませんが、入札はありませんでした。
 それはやはり低い地代に原因があります。この土地の地代は月額16500円です。1坪1月あたり550円強で、これですと固定資産税・都市計画税を差し引くと年収で15万円ほどです。

 仮に450万円で落札して、登録免許税(約16万円)不動産取得税(約20万円)を合計した総コスト
約486万円をかけたとするとこの投資は年3%ほどの利回りです。
 
 山の手の方の底地ですと3%ほどでも応札が投資目的で第三者からありますが、やはり下町ですと5%程度は期待されるようです。
 国税局も収益還元的アプローチで見積価額を設定することを検討されたらと思うところであります。
 


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