プロフィール

1980年
 ・ 慶応義塾大学経済学部卒業
1980年
 ・ 三井不動産販売株式会社勤務 
1985年
 ・ 株式会社リクルートコスモス勤務

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競売不動産の上手な入手法
改訂第9版


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 増える信託受益権物件の取引の裏側

 ここ最近2000年以降に組成され始めた不動産私募ファンドが期限を迎え、ファンドの投資対象のビルなどの売却物件が増えています。いわゆるファンドの出口物件です。これらファンドの出口物件のうちグレードの高い物件はまた再び別のファンドに売却されるケースが多いようですが、ちょっと難がある物件は個人などに向けてセールスされることになります。その背景は・・・

 通常、不動産ファンドの物件は、不動産特定共同事業法などの法規制やノンリコースローンなどの関係から信託銀行に信託された形になっていて、ファンドはその物件の信託受益権を持っています。そしてそれらの物件を売却処分するときは、買手が不動産ファンドなどであれば信託受益権のまま売買されます。(信託原簿にて移転事実を記載) (なおこの売買では登録免許税が僅かしか掛かりません(不動産1つについて1000円)し、不動産取得税はゼロです。)
 
 ところで不動産私募ファンドが始まった頃は不良債権担保物件が大量にありました。そしてそれらの物件の中には、例えばアスベストや土壌汚染など最近問題が大きくなった欠陥を抱えているものや、建築基準法などに対する遵法性に欠けるなど、いわゆるキズものも少なくありませんでした。

 不動産ファンド創生期には信託銀行によってはこういったキズものも信託を受けるケースもありました。しかし、ファンドの期限がいよいよやってきて、こういったキズものは信託銀行としては金融庁対策としても信託を継続したくない事情が生じてきました。
 そうなればそういった物件は、当然処分先が不動産ファンドとはいきません。いきおい個人や事業法人などの投資家に買ってもらわなければならないというわけです。
(ちなみに弊社にもこういった物件の情報が来ます。先日は外壁が斜めの「斜壁」というキズがある物件でした。<ここのところ斜壁物件はタイルの剥離などで第三者に損害等を及ぼす可能性があるということで、信託銀行には信託されない方向のようです。>)

 さて個人等がこういった信託受益権になっている物件を購入するには、まず信託受益権を購入して受益者変更を行います。その後信託契約を即解除します。その上で所有権移転登記を信託銀行から買手である個人等に行うことになります。
 この場合、所有権移転登記には通常とおり登録免許税がかかりますし、不動産取得税も掛かってしまいます。むしろ僅かではありますが最初の信託受益権変更に要する登録免許税や司法書士手数料分だけ負担が増えることもあるのです。
 (物件にキズはあるは、買う手続きは多くなるはで、買手にとってはあんまり良い取引じゃありませんよね。)
 
 こんな物件紹介されたら頑張って価格交渉してみるのも手だと思います。




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