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違法建築の価値って

 先日とある銀行さんから2億円くらいの収益ビル(平成2年築)の売り物件情報をもらいました。山手線内で駅からまずまず近くの店舗兼事務所ビルであります。昨今利回り10%なんて夢のまた夢であるところ本件は満室想定で表面利回り約10%超、ローンは紹介銀行が付けてくれるとのこと・・・

 これは良いお話、2割ほどの自己資金投下は必要なれど頑張り甲斐ありそうと思い内容を突っ込んで聞きました。
 するとこの物件検査済証を取得していません。しかも1階はそもそも駐車場として建築確認を取っているところ現状は飲食店になっているのです。つまり既存不適格の建築基準法違反状態なわけです。

 さらに昨年施行の改正消防法で飲食店(防火対象物であり「特定用途」という。)を10%以上含んだ事務所ビルで且つ延床面積300㎡以上などの条件にはまることから、自動火災報知機の設置が必要なんですが、どうやらそれも無いみたいであります。

 こんな違法状態ですが、その銀行さんはローンを出すそうなので感心していたら、どうもこの物件はその銀行さんの不良債権担保物件だったのでした。(なーるほど)

 このところ金融機関は対象不動産の遵法性を融資するにあたって厳格に見るようになってきてます。この物件も実は自らの不良債権だからこれを処理するにあたってはローンを出すのでしょうが、もしそうでもなければ融資しないようなかんじです。
 もし今回ローン付で買えても、将来売却したくなったとき、買手がローンが使える物件でない可能性が高いわけです。こういった物件は違法なままではやはり長期保有でインカムによる投資資金回収しかないでしょう。(もしくは買った後ローンが付くように飲食店を退去させるなど是正を図るという作戦もあります。)

 かつて銀行は融資にあたって土地至上主義で建物は添え物くらいなかんじでした。だから建物の遵法性はあんまり気にしなかったのですが、時代は変わりました。違法建物にファイナンスの途は狭いので思いっきり価値が減価してしまう可能性があるわけです。

 本件も将来の転売価値をにらんで値交渉頑張ろうかな、なんて考えてます。

 


見切り千両

 1昨日私と同い年の食品製造会社の社長と食事をしました。この社長さん銀行を退職後お餅や各種自然食を手がけ昨年は九州に大きな工場を建設、従業員は100人を超え、株式公開を目指していました。
 更なる発展シナリオが聞けるのかと楽しみにしていました。ところが・・・

 社長さんはビールを一杯口にした後涼しい顔で「会社は3ヶ月前に売ってしまったよ。」というではありませんか。驚いて「何故ですか。」とオウム返しよろしく聞いたところ、「業績は悪くはなかったんだけど急速に伸ばしたため資金繰りが大変で、このままでは自分の手に負えなくなるかもしれないと思ったから。」とのこと。

 加えて詳しく聞けば、この会社はやはり業績が悪くなかったのでしょうか、より大きな食品会社がシナジー効果を期待し、従業員丸ごと引き受けたとのことでした。

 社長さん、いや元社長さんは元バンカーでもありますので、財務見通しは堅実だったのかもしれません。しかしほんの数ヶ月前までは成長シナリオを熱く語っていたのに、その割に引き際はあっさりしてます。結果この決断が将来得なことであったかは現段階では分かりませんが、リスクから解放されたことからかか、とりあえず元社長さんは満足げです。

 私は元社長さんの話をさらに聞き、この決断が「見切り千両」(見切ることは千両の価値があるという格言)ということで正解だったような気がしました。自分の会社を客観的に見直し、冷静な判断ができているように思ったのです。「ウォームハート&クールヘッド」といったところでしょうか。

 不動産投資にもこの冷静な判断は大切であります。不動産は自分が投資したものはなるべく良いシナリオを描きたくなるもの。自らの判断が間違っていたことを人間、あまり認めたくないからでしょう。
 元社長さんのクールヘッド、「見切り千両」を大いに参考にしたいところです。


店舗テナント解約に思う

 弊社の賃貸物件の中にちっちゃな店舗がいくつかあります。そのうちの2件がこのほど解約&退去となりました。またまた募集しなけりゃならなくなり、「アーア」ってゆう感じなのですが、解約の理由はさまざまで・・・

 1件は子供向け英語などの学習塾で、この塾はとても繁盛していました。こ綺麗な店舗だし、良いテナントだなぁと思っていた矢先の解約届。聞けば大変繁盛して手狭になってしまったため、より大きな店舗に引っ越すとのこと。ヤレヤレ・・・

 というところで昨日、さらにもう1件解約届が。こちらは開業して3ヶ月の洋品店です。ご家庭のご事情とのことですが、繁盛してたらなかなかやめられませんよね。あんまり業績がパッとしなかったのでありましょうか・・・

 店舗テナントは、業績が悪いと、もちろん退去の可能性が高いですが、とっても良すぎても上記のように退去のリスクがあります。(もっとも業績が良くて退去っていう店舗は立地に問題ないのだから新テナントがつきやすいとも考えられますが。)
 ちょうど良い(?)テナントさん<失礼な言い方か・・>ゲットは運だなぁとつくづく感じたのであります。


タワーマンション人気のワケの中には・・・

 先日私が取っているFAXニュース「バードレポート」に興味ある記事がありました。それはタワーマンションの相続税評価が実際販売価格に比して数分の1にしかならないことについてです。現在「芝浦アイランド」などを始めとする都心型分譲タワーマンションは人気があり、販売絶好調です。

 多くの都心型タワーマンションは好立地であることはもとより間取りや価格帯にバリエーションがあって選択の幅が広いので、実需と投資両面での販売ができるのが強みです。

 さらにこれらタワーマンションのもう一つのウリは先に述べた相続税評価かもしれません。不動産の相続税評価は路線価をベースとした土地評価と、建物評価の合計です。タワーマンションは土地の持分が小さいのでこの評価方法ですと、専有面積あたりの坪単価で形成される実際の取引相場よりかなり低く相続税評価がなされます。

 相続税が課税されそうな方(全体の5%程度のようですが)にとってはタワーマンションをローンで買ったりすればかなりの相続税節税効果があります。
 相続時には相続税を圧縮できて、さらにその後売却すればそのときの税金は買ったときの値段との差額がプラスならそのプラス分にだけ譲渡所得税がかかるのみ。買値を下回ってしか売れなければもちろん税金はゼロというわけです。

 タワーマンション、実はお金持ちの節税商品の顔も持っていたのでした。


給与所得控除へ課税攻撃

 今月は私が経営する会社の一つの税金申告期限です。税理士さんと打ち合わせをしているところです。申告内容についてはほぼ固まりつつありますが、もう一つの打ち合わせは来年の申告のこともあります。特に・・・

 今年の税法改正で来年の決算から私の給与に対する課税に際し控除されている「給与所得控除」分が法人税課税になるので何らかの対策をするかどうかという点です。

 この改正は税理士会も猛反発したらしいのですが、成立してしまいました。要は同族会社で、一定の要件に当てはまる場合、その会社の役員が取っている給与に関し、その給与所得控除分を法人所得に上乗せすると言うものです。

 この仕組みは交際費課税の手法と似ています。つまり税金計算にあたり最初は経費として所得から差し引いておいて、最後に課税所得として加えるというやつで、不自然な計算方法と言えます。
 この課税を避けるには株式の同族以外への譲渡(10%超)などが必要です。しかし株式譲渡は権利関係が複雑になるなど簡単な話ではありません。

 今あまり話題になっていないようですが、この改正は不動産投資にも大いに関連してきます。というのは不動産を法人に所有させて運用する場合の税金面での有利性が大きく損なわれるからです。
 従来から個人で持つか。法人を設立して所有させるか。不動産投資家は悩むところでした。交際費などの経費メリットがある法人所有を選択する方も多かったのですが、今度の改正で法人所有メリットはダウンします。今後は個人保有選択に傾斜するかもしれません。

 それにしても現在既に法人所有で運用している人には実に「青天のへきれき」です。
とにかく政府の「理屈をこじつけて無理矢理税金を取ろうとする姿勢」には憤りを感じざるをえません。 


不射の射

 先日「お金がたまる人 たまらない人」(丸田 潔氏著 主婦の友社刊)を読みました。著者はマネー誌などにマネー記事を多数執筆されているフリーライターで、この本はその取材経験などをもとに書かれているもので、楽しく読ませてもらいました。

 その中で「たまる人は大金の存在を忘れてしまう」という話が書かれています。どうも「たまる人」には自分の預金のうちその一部を失念してしまう人が多いようです。実際より貯金が少ないと認識していれば無駄遣いもしないということもあって、この手の人はますます「たまる」のであります。

 この話を見て私が好きな小説である中島 敦の「名人伝」を思い出しました。この小説は弓の修行に明け暮れた主人公が、ついには弓を使わず射ることができるまでになるお話で、ある日主人公が座敷にあった弓を見て「これは何であるか」と人に尋ねたとのエピソードが書かれています。「不射の射」というわけであります。

 貯蓄の名人はついには貯蓄修行の末、貯蓄の存在を忘れ、貯金通帳を見て人に「これは何であるか」と尋ねることに・・・・  てなことはありませんよね。(笑)


銀座の路線価急上昇

 平成18年の路線価が公表されました。中央区銀座5丁目中央通り鳩居堂前の路線価は昨年比23.8%の大幅上昇です。同地点でのこの上昇幅は近年では昭和63年に前年比40.1%上昇に次いでの記録です。

 更に全国ベースでも0.9%上昇」の結果で、いよいよオール日本も地価上昇かと言いたいところですが、その中身を見ると疑問符がつきます。というのも路線価が上昇したのは全国47都道府県のうち僅か5都府県(東京、愛知、京都、千葉、大阪)だけで、あとは相変わらず下向きという状況です。
 地価総額の大きい東京が前年比5.5%上昇になったことが全国ベースでの増加につながったという実態を表しています。

 ところで先日住民基本台帳ベースで初めて日本の人口が減少したとの報道がありました。内容を見ると、人口増加したのは9都府県(東京、千葉、埼玉、神奈川、愛知、滋賀、大阪、福岡、沖縄)だけであとは減少という結果でした。この結果と先の路線価の動向を見比べると、人口の増減と地価に相関性があることが当然のことながら分かります。

 しかし面白いと思ったのは京都です。京都府の人口は減少したのにもかかわらず路線価は前年比1.6%上昇と東京、愛知に次いで堂々全国第3位でした。さすが古都である京都、人口動向に影響されない魅力があるのでしょうね。
 


テナントが民事再生に!

 今朝私の会社所有のビルのテナントの1件が民事再生手続開始の申立をして裁判所に受理されたと、代理人弁護士からFAXが到着。そのFAXにはこれまでの経緯や再生手続の申立必要とした背景などが簡単に述べられていました。

 来週8月7日には「債権者説明会」が行われるのでこれに参加するように記載されております。このテナントは確かにこのところ家賃が遅れ気味でどうしたのかなぁとは思っていましたが、やはり行き詰っていたようです。服飾関係のお仕事をやっておられる会社なのですが、景気回復が喧伝される中でもきっと調子の良くない事業環境だったのでしょう。
 このテナントさん、弊社のビルが唯一の営業拠点なので、再生するとすれば引越しなどは無いのかもしれませんが、これは先方の意向を聞くまでは分かりません。できれば今の場所で再度何とか建て直して、捲土重来頑張ってもらえればと思います。(ちなみに現行の法律ではテナントが民事再生になったからといって賃貸借契約は解除できません。)
 実はこれまで賃貸中の物件でテナントが民事再生になったことはなく、これが初めてです。かつて夜逃げみたいな形はありましたが、それと比較するのは失礼ながら民事再生は当事者&当事者代理人弁護士が対応し且つ裁判所等の関与があるので安心な部分もあります。
 なおこの件についてはまた随時ご報告させて頂きます。


全国廃校ガイドに思う

 今朝テレビ番組で、少子化によって不必要になった小学校を自治体が他の用途に転用し始めているとの報道がありました。落語会などのイベント会場に利用したり、ベンチャー企業のインキュベーションオフィスとして貸し出したり、体育館を演劇の練習場にして、校庭はコインパーキングにといった例が取り上げられていました。

 確かにいらなくなった学校の施設は維持するだけで費用がかさみ自治体の財政を圧迫します。何らかの収入が得られるようになれば、維持管理費が軽減できるのみならず財政にプラス効果が生じます。大いに行われるべきでしょう。
 ただ地方ですとオフィスや駐車場といった利用では需要は望めません。そこでやはりその番組で紹介されていましたが、旅館などへの転用を図り観光資源として再生させて成功している例が紹介されていました。なんと「全国廃校ガイド」(廃校遊学推進委員会)なる本も出版されていて、全国各地の再生廃校が紹介されているほど、この再生方法は広まっているようです。
 自治体財政が窮乏化する中、税金引き上げに頼らず各自治体の所有資産の活用は、学校に限らずどんどん推進されるべきだと思います。そしてそれは同時に不動産プレーヤーなどの活躍の場になる可能性も秘めているのではないでしょうか。


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