僕の親友である三島三平さんが、
サラリーマン流不動産投資道場で体験記を書く事になった。
「おい、修造!!遂にお前にも同士が出来たらしいな。おめでとう!」
「そうすると、お前は魚紳さんの位置って事かな」
「んじゃ私はユリッペ♪(キャハッ)・・・サラリーマン大家、金田修造のハッスル不動産投資体験記ブログ♪」
タイトルは『キャッシュフロー大漁船にノレ!つり吉・三平の不動産投資バカ日記』。
釣り好きの彼らしいタイトルだ。
そんな訳で、これから数回にわけて、
僕側からみた「つり吉・三平の不動産投資バカ日記」を書く事にする。
いわゆる「ザッピング・ブログ」である。
ちなみに今回の内容は、「<第一回>きっかけ」前半部分と連動しています。
2004年12月末日。
クリスマスが終わり、世間は年越しの準備へとスムーズに移行している。
クリスマス・・・言うまでもなく独身男女、しかも恋人なしの方々にとっては、
なんとも過ごし難い時期。言うまでもなく僕も、その居心地の悪い季節を過ごしていた。
そんな毒男にとっての些細な楽しみと言えば、新たなる出会いの場。
すなわち、年末恒例のイベントの一つ・・・、言うまでもなく年越し合コンである。
僕も、それに参加するために渋谷へと足を運んだ。
今回のそれは、男性4人・女性5人で構成される、変則的な合コンであった。
と言っても参加メンバーの殆どが30台後半で、僕がもっとも最年少という有様。
そのため、合コン自体は従来の豪快且つ爽やかな雰囲気というよりは、
何か、負け犬になりつつある男女が、一時の快楽を求め傷を舐めあうという、
反省会に近いニュアンスで開催されているだけのことであった。
場所は渋谷の創作料理居酒屋さん。年齢構成から、
落ち着いた雰囲気がいいかな、という安易な発想でその場所に決めた。
創作料理居酒屋さんは雑居ビルの地下にあり、トイレは共有設備。
そこはまるで年末の銀行のATMのように人々が行き交っていた。
飲み会自体がイマイチ盛り上がっていない事もあったのだろう。
ワインを飲みすぎた僕は、そのトイレへと向かった。
用が終わり、手を洗い終えようとしている僕の後ろから、その声は聴こえた。
「修造さんじゃない?」
空耳かな・・・。最初、僕はこんな風にとらえた。
なぜなら、言うまでもなくここは渋谷、すなわち大都会「東京」。
知人と出会う可能性など限りなく低く、
ましてやトイレで逢う確率など0%に等しいからだ。
怪訝な面持ちで鏡を見ると、フト、隣で手を洗う人の顔が目に映った。
すらっとしたスタイル、いかにもオシャレな白のブラウス、
そして、頭部を覆いつくす鮮やかな天然パーマ・・・。
僕はすぐに理解した。彼が三島三平さんであることを。
彼との9年ぶりの再会であった。相変わらずの天然パーマ、
相変わらずのほっそり感。どれをとっても当時の彼と一緒である。
ただ、少しばかり違っていたのは、顎のあたりに髭が生えていた事。
「あれ?髭生やしたんだぁ」・・・これが再会後に僕が発した一言だった。
三平「修造さん、久しぶりだね。何年ぶり?」
修造「9年ぶりぐらいじゃないかな?三平さん、久しぶりだね。元気?」
三平「修造さん、今、何してんの?」
修造「何って・・・、合コンだよ。」
今、思うと三平さんは僕の職業を聴いたんだろう・・・何とも間抜けな回答だ。
しかし・・・、その刹那、彼の瞳の中で何かが光った!
確かに光ったのだ、怪しい光が確かに。
この後、何度もみる事になる「瞳の中に点る怪しい光」を最初にみた瞬間でもあった。
修造「三平さんはこんな所で何してんのさ」オドオドしながら聴く僕。
三平「隣の寿司屋で男3人で飲んでんだぁ」照れながら答えつつも眼は笑ってない。
修造「・・・へ、へぇー。そうなんだー」と適当に返事をする僕。
三平「男3人で傷を舐め合うような感じで、寂しく飲んどります、ハイ」何かを期待する回答。
ヤラれた!ミス!圧倒的ミス!これでは、腹ペコの狼に羊を見せたようなものだ。
しかも、三平さんは当時から圧倒的にモテていたので、
緊急参加されたら、僕を始めとする男性陣の居場所がなくなってしまう。
どうする!?どうするのよ、俺!?
そんな事を考えていると、案の定、彼から一言が発せられた。
三平「修造さん。合コンに混ぜてよ。今、男同士で傷を舐め合ってるだけだからさ」
頼んでいるというよりも、半強制的な圧倒的な圧力。くっ、これに屈してはならない。
修造「はは。そういう会合も、たまにはいいんじゃないのかな」やんわりかわす僕。
三平「俺らが参加したら、盛り上げまっせー」懸命に食い下がる彼。
修造「いやー、勘弁してよ三平さん。また今度。ねっ。合コンあったら誘うからさ」
それでも食い下がろうとする彼を何とか収め、しばし談笑した後、その場は別れた。
去っていく彼の後ろ姿に、彼独特のシュールな雰囲気を感じつつも、
それが少し変化しているのを明らかに感じた。
「彼も苦労してんだな」その時の僕は、ただそんな風に詮索するだけであり、
その後、彼を不動産投資の世界に誘う事になるとは、この時は思いもしなかった。
(つづく)