私が2年前に会社を設立したとき、いろいろな事業計画を立てました。
マッサージ、シェフの派遣(ご家庭で一流シェフの味を!みたいなもの)、(立ち食い)そば屋等々
素人も素人でビジネスのまともな経験すらなかったのですが、一生懸命考えたのをよく
覚えております。冷静に考えれば、まともな経験もないのに、よくもまあ考えたものだと
恥ずかしくなります。よくノートを持ち歩いて、図を書いていました(私は図を書くのが
すきです)。
その中で、最終的に不動産業の中の収益用不動産分野を選んだのですが、それには
いくつかの理由がありました。
もちろん、自分でアパートを建てたりという経験もありましたし、そもそも不動産会社に勤めて
いましたので(宅建も持っていました)、不動産に対する基礎知識はありました。そして
不動産投資が自分でも大好きだったという点。
これらは、起業するにあたっては、ある意味当たり前の「必要条件」となります。
お客様からお金をいただくわけですから、他に勝る知識がなければできませんし、何より
好きでなければ、365日24時間の過酷な仕事には耐えられません。
しかし、上記の点よりも重要でないかというか、「十分条件」となるポイントが、その
参入する「市場がどうか」というポイントです。
収益用不動産市場が「大きな成熟マーケットの中の成長分野」であると判断したからです。
どういうことかと申しますと、不動産市場というのはものすごく巨大な市場を形成しております。
何兆円という市場です。そしてその市場というのは、ここ何年かでできた市場ではなく
昔から厳然と存在する「成熟市場」なのです。これは、今後も流行り廃りなく、続いていくという
ひとつの確認になります。ということは、その巨大な市場のほんの少ないシェアでも取れれば
売り上げがかなり行くのではないかと考えました。
また、成熟市場の中でも、収益用不動産市場というのは、まだノウハウが確立されていない
そして非常に伸びている「成長分野」でした。ということは、ノウハウが確立していないということは
ガリバーのような会社が存在しないのではと考えました。たとえば中古居住用マンションの
業界であればなかなか「三井のリハウス」のようなところとまともに戦えないですから。
結果的に、今となってはこの分野を選んでよかったと思っています。
しかし、ここにきてその成長のスピードも一段落しそうな気配が見えております。
先日大手都銀のアパートローン融資の責任者の方とお話をしていたら、ここ2,3年
倍々で伸びていた貸出予算(ノルマ)が今期から減少に転じたということをいわれていました。
理由は簡単で、市場の成長に伴い、物件価格の高騰が起こり、銀行の基準にあう物件が
減ってきたためです。バブルの時は、価格の高騰に銀行の基準をあわせて、貸出量を
増やしていったのですが今回は基準を変えず、あくまでもその基準に合う物件だけに
融資するという姿勢を打ち出しているということです。
そうすると必然的に貸出量が減りますので、短期的には取引量が減りますが、
長い目で見れば価格調整が起こり、適正価格に戻るという理屈が成り立ちます。
これは、収益用不動産業界も成長段階から成熟段階へ入ったことであるとの解釈をいた
しました。今後は物件が選別化されてきますし、それに伴い、いい物件でなければ融資が
出ないわけですから、いい物件を扱えない業者の選別も始まると思います。
レインズやアットホームを見て取引をしている業者は時間の問題でしょうか。
結論的には収益用不動産市場も成熟化してきて、いい物件、いい業者がだけが残っていく
普通の業界になったということです。この2年間確かに何でも融資が出て、どんな物件でも
売れるというようなある意味異常な状況が正常に戻るということで、私自身はすごく
いいことだと思っています。
私自身は市場の流れも考慮しながら、お客様へのスタンスは、今までと変わらずいい物件
だけをご紹介するということは変えずに今後も努力していこうと思っています。




