今回から不動産投資の基本、「利回り」についてあらゆる角度から解説していきたいと思います。「利回り」の計算方法などではなく、「利回り」の言葉やその背景にある考え方、更には、そこから読み取れるあらゆる要素。
不動産に限らず、投資家として必ず知っておきたいテーマです。どうぞご覧ください。
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■■ 売上の公式
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経営者の仕事の1つに「家賃を決める」ということがあります。通常、所有している物件と同タイプで築年数、地域的にも似かよっている物件の家賃相場を参考に値決めすることが多くなります。そうした相場は地元の不動産業者やインターネットや情報誌などを使って自身で調べることで大よそ把握ができるでしょう。もっとちゃんとした相場が知りたければ、専門の調査会社に調査を依頼することも可能です。
例えば、この辺りの20平米のワンルームであれば相場がだいたい6万円だから、この物件も6万円にしよう、という風にです。
不動産投資家は経営者です。経営者の仕事の1つは売上、つまり家賃収入の拡大です。売上は次の公式で表せます。
売上
=顧客数(所有戸数)×顧客平均単価(平均家賃)×購入数(礼金等の副次的収入、並びに入居率)
この中で家賃設定は「顧客平均単価」になります。
仮に10戸所有していて、全室満室であった場合、平均家賃が6万円であれば、
売上=10戸×6万円×12ヶ月=720万
となります。しかし、すぐに決まるから、という理由で平均家賃が5.5万円になった場合、
売上=10戸×5.5万円×12ヶ月=万660万
と一気に売上が下がってしまいます。ここで、平均家賃を下げずに1ヶ月かけて入居者を探し当て、入居月数を11ヶ月になった場合を考えてみましょう。すると、売上は次の通りになります。
売上=10戸×6万円×11ヶ月=660万
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■■ リフォームをするか、家賃を下げるか
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先ほどと同じ売上(家賃収入)になりました。では、この物件にリフォームを1戸当たり50万円(10戸ですから合計で500万円です)かけ、結果的に入居月数が12ヶ月に戻ったと仮定しましょう。すると売上は、
売上=10戸×6万円×12ヶ月=720万
と戻りますが、一方で500万円の出費があります。リフォームをかける場合とかけない場合の売上(家賃収入)の差は60万円ですから、投資した500万円が回収できるのは500万円÷60万円≒8.3年となります。
この判断のどちらが良いのかは一概には言えません。何もしなければ下げた家賃の5.5万円が更に加速して下がる可能性もありますし、その場合はリフォーム等の投資をして家賃の下げ傾向に歯止めをかける必要があるかもしれません。しかし、5.5万円であれば、長期的に高い入居率を維持できる見込みであればこのリフォームをする必要はないかもしれません。
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■■ 経営判断の根拠となるものとは?
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何が言いたいかといえば、収益不動産を買えばあとは家賃が入ってくるだけではなく、こうした経営判断をする機会が増えてくる、ということです。どちらがいいか、その正解はありません。それは経営者の判断に委ねられます。単なる家賃の設定ですが、その背後には色々な要素が絡み合う経営判断なのです。
そうした経営判断をする際、重要なのが感情に流されない、ということです。感情に流されない鉄の意志を持つのはカンタンではありません。しかし、多くの経営者が感情に流され、不動産会社に言われたから、入居者がそういっているから、という理由で判断してしまいます。
そういう場合は、しっかりと自分で計算を行い、シミュレーションをし、データを集め、根拠を想いではなく、数字にする努力が必要です。情報のウラを取ることの重要性は誰もが理解できますが、実際に実行できる人は多くはありません。
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<本レポート、本編の主なテーマ>
●「利回り」と「リスク」
●不動産の個別性が生む市場のゆがみ
●利回りは期待する収益率!?
●「価格」と「価値」のギャップ
●「想定利回り」の背後にあるもの
●価値が高い物件とはなにか?
●「利回り」と「キャッシュフロー」の関係
●本当のキャッシュフローとは何か?
●出口を決めてから入り口を考える ...など
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