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「利回り」と「キャッシュフロー」の関係とは?

 【「不動産投資ハンドブック」1月31日発行号より】

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 ■■ 本当のキャッシュフローとは何か?
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 これまでCF(キャッシュフロー)の説明をせずに話を進めてきました。ここで、基本ではありますが、CFについてしっかりと理解をしておきましょう。
 キャッシュフローとは、読んで字のごとく、お金の流れと訳されます。では、不動産投資におけるCFとは何でしょうか。計算式で言えば、下記の通りです。

  CF=「税引き後利益」-「返済元本」+「減価償却費」

 これを項目ごとに解説しましょう。


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 ■■ 税引き後利益とは?
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 まず「税引き後利益」についてです。税引き後利益、ということは税引き前利益があるということです。「税引き前利益」を考えるには、課税対象になる所得はどう決まるかを考えなければなりません。確定申告では不動産所得に対して課税をされます。では不動産所得はどう計算されるかと言うと次の通りです。

  不動産所得 = 総収入金額 - 必要経費

 総収入金額とは、家賃収入はもちろん、礼金や権利金、更新料など、不動産投資にまつわる収入を指します。

 次に必要経費ですが、これは管理会社へ管理業務を委託する際に支払う管理手数料や公租公課(固定資産税・都市計画税・印紙税・登録免許税・不動産取得税・事業税・事業所税)、損害保険料(建物への火災保険の保険料)、修繕費用、減価償却費、借入金の利子部分(尚、建物完成から賃貸開始までの期間に関する利子は、建物取得価額になります)、その他、立ち退き費用や各種雑費、借地の場合は地代なども必要経費となります。

 これらの必要経費を総収入から差し引いた金額に対して課税がなされます。そしてその課税をされた後の額が「税引き後利益」となるわけです。


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 ■■ 元本返済と金利返済の違い
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 次に元本返済について解説しましょう。

 金融機関等から借入をした場合、その返済方法には二種類があります。元利金等返済と元金均等返済です。この返済方法の違いについては後述しますが、CFを理解するために押さえておかなければならないのが、返済をする際には二種類のお金を支払っているということです。

 その二種類とは、1つは元金、もう1つが金利です。例えば、3000万円のお金を10年間の固定金利、2.5%で借りた場合、10年間で返済する総額は「33,937,165円」となり、うち「3,937,165円」が金利部分となります。この金利部分は借入先金融機関への手数料支払いという位置づけですから、必要経費に入ります。

 一方の元金の3000万円は手数料ではなく、あなたが借りたお金ですから必要経費にはなりません。しかし、金利も元金も一緒に支払うわけですから、家賃収入から支払うことになります。つまり、元金部分の返済は経費にはなりませんが、手元の現金は出て行くわけです。

 これが返済元本の考え方です。


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 ■■ 減価償却の考え方
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 最後に「減価償却」です。例えば、あなたが3000万円の土地に2000万円の建物を建てたとします。合計で5000万円の現金が出て行ったことになります。しかし、この行為は現金を土地・建物に交換した行為に過ぎません。資産の交換ですから、それは出費、つまり必要経費とはみなされません。

 しかし、よく考えてみると、土地は古くなりませんが、建物はドンドン古くなり、資産価値を目減りしていくはずです。そこで、出てくるのが「減価償却費」です。
「減価償却費」とは、建物のように時間の経過と共に目減りしていく(古くなっていく)資産を使用可能(と思われる)期間(これを耐用年数といいます)で償却し、その償却額を費用計上する場合の経費です。分かりにくいですよね。

 もっとカンタンに説明をすれば、例えば、木造の新築住宅の耐用年数は22年です。仮に2000万円の建物であった場合、22年で使えなくなる(使用可能ではなくなる)と法律で決めてしまっているわけです。よって、22年後には資産価値がゼロになる、という前提があります。資産が減っていくわけですから、それはある意味で出費、必要経費である、と決めてもらっているのです。

 定額法(もう1つに定率法という考え方がありますが、この解説は後述します)でこの木造建物を減価償却する場合、年間

  取得価額×90%×(耐用年数について定められている定額法の償却率)
  =その年の償却費の額

が必要経費として認められています。

 蛇足ですが、この90%という数値。つまりは、10%は減価償却できない、ということになります。これは取り壊したとしても廃材が10%程度はあるだろう、という理由で残していると税理士の鹿谷先生は著書でお話しています。


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 ■■ 本当のキャッシュはいくら?
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 さて、減価償却費は必要経費として認められているとしても、現金は出て行っていないわけです。実際の現金はその建物を買った時に出て行っているのです。既に建物取得時に出ている現金を細切れにして経費として参入できる金額、それが「減価償却費」です。

 ここまでの理解が進めば、CFが何で決まるかと言えば、

  CF=「税引き後利益」-「返済元本」+「減価償却費」

 である、ということが理解できるのではないかと思います。つまり、手元に残る現金がどれ程あるか、ということです。こう言葉で説明すれば簡単なのですが、それを計算するためには先ほどの数式とそれらの各項をどう算出するかをしっておかなければなりません。

 DCF法がこれからの価格算定基準になることを考えれば、その資産からどれ程のキャッシュフローが生まれるか、をしっかりと考えていなければなりません。


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 ■■ 利回りとキャッシュフローは比例しない
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 たまに利回りが高いのにも関わらず、現金が手元に残らない、ということがあります。その原因も会計上の利益とCFの関係が関わってきているのです。この部分については後述していきます。ここで理解して頂きたいのは、単に家賃収入から必要経費を差し引いた額だけを見て投資をしてはならない、ということです。同じ利回り10%の物件でも、その物件によってCFは全然違ってくるのです。覚えておきましょう。

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