こんにちは、竹之内です。
今回は最終回です。サラリーマンを辞めて専業の大家へ転身したお話をさせてください。
2棟目が満室スタートできたので、賃貸経営はそれなりに順調な滑り出しでした。
もちろん、小さな問題はたくさんありましたが…。
それに、家族は1ヶ月8万円弱のアパートで緊縮モードの生活をしていましたので、
我が家の家計は急速なV字回復を果たすことができました。
一方、私はサラリーマンとして睡眠時間を削りながら仕事をしていましたので、
いつも心の中で賃貸経営について“言い訳”をしながら日々を送っていました。
忙しいから賃貸経営やその勉強に時間が割けない…と。
でも、この言い訳は明らかに間違っていると分かっていました。
賃貸経営は事業であり、行動せずにはよい結果など期待できないと思うからです。
こんなジレンマの中で、悶々とした生活を送ってきました。
ある日…というか数ヶ月かけてゆっくりと優先順位を入れ替える決断をしました。
最終的には賃貸経営に軸足を置いて、余った時間で何か(サラリーマンなど)をしよう…と。
もちろん、その決断には賃貸経営のキャッシュフローで生活できそうだという安心感が
あったと思います。
脱サラリーマンという私の人生にとって大きな決断と実行は大した盛り上がりもなく、
ゆっくりと粛々と行いました。
やるぞ~!というより、やるべき事をコツコツと遂行するような気持ちでした。
こんなに気持ちが盛り上がらなくていいのか?と思うくらいです。
上司への相談、手続き、業務の引継ぎ、机の整理…。
今考えても、盛り上がりに欠けすぎですね。
退職後はしばらく、簿記や宅建の勉強をしたり、不動産関係の仕事で
戦闘力をアップしようかなぁ?などとのんびりとした生活を送っていました。
半年も経つと不思議なもので、目先の利益を追い求めるようになりました。
多分、辞めても経済的な利益を損なっていない「脱サラリーマンは正しかった!」という
根拠が欲しかったのだと思います。
例えば、失敗した確定申告を更正の請求で一部取り戻したり、固定資産税の見直しをしたり…
などです。
そして、新たな収益源を作ること。つまり、新たに不動産投資を行うことだ!との考えに
収束してゆきました。
よし投資するぞ!モードの私はいつものようにいろいろと調べてみました。
勉強会の先輩に聞いたり、業者まわり、インターネット、セミナー、本などで。
時間もありましたので、徹底的に調べました。
そして、数ヵ月後の2004年3月にある結論に達しました。
「今は不動産投資に良い時期では無いので止めておこう…」と。
そう決断したのは、ある物件を検討した時です。
勉強会の先輩から紹介されたルートで、ちょっと特殊な入札物件。(競売ではありません)
建物自体はボロボロですが、立地が良く、表面で20%以上(業者想定)という
私好みの物件でした。
気合を入れて現地調査に3日。調査した近隣の賃料下落や空室率、
それと金利上昇などさまざまな組み合わせのキャッシュフローをシュミレーションをしました。
そして、幾らなら買うのか?(期待した利益が得られるのか?)を必死で考えました。
その結果は?というと…
再販業者が落札しました。
保有していても利益が得られない(と思われる)とんでもない金額で。
そして、しばらくするとこの物件が売りに出てきました。
元の値段から考えると、えぇ~と驚くすごい値段です!(他の物件と同等の価格ですが…。)
その時、ある人の話を思い出しました。
「僕は1987年に持っている全ての株を売って、現金にしたんですよ…。
株価が合理的な価格形成から大きく乖離し始めたので。
85年プラザ合意以降の低金利政策がバブルを形成したんでしょうね。」
(89年の年末にバブル崩壊。91年地価下落へ転じ、土地神話が崩壊しました。)
そういえば、最近の経済情勢は長期の金融緩和、合理的な価格からの逸脱…。
ってことは、今、不動産バブル前夜?
この疑問の答えを見つけるために、本をたくさん読み、たくさんの資料をチェックし、
エコノミストの集まりやマニアックな勉強会にも参加して勉強しました。
結局、未来のことは正確に予想することはできないってことが分かりましたが、
今は長期保有目的の不動産投資としあまり良いタイミングではなということも肌で感じました。
いくら特殊な取引形態でも、非合理的な高値で購入する人がいては
うまみのある投資になりません。
後追いで調査した結果ですが、今回の買場は2000年前後だったとわかりました。
ある有名な競売業者さんのデータでは2000年に都心中心部が底値を付け、
数年かけて広がって行く様子が浮き彫りになっています。
最近、意気投合した業者もこんな事を言っていました。
彼曰く、「今は業者同士が生き馬の眼を抜くようなせめぎ合いをしている時だから、
素人が利益を出せる可能性は極めて低い時期ですね。」とのこと。
そして彼と私は投資についてほぼ同じような認識を持っていました。
「長期に保有する不動産の買い時は、不動産価格が下げ基調で金利の高い時。
なるべく、借入れ金に依存しないで購入する。そのために、今すべきことは銀行に対する
クレジット(ここでは信用という意味)作り!」
2005年1月21日付けの日経新聞には経済財政諮問会議の展望という記事の中で
「(歳出削減や構造改革が進まず、経済が停滞するケースでは)長期金利は6-7%まで上昇。」
と報じました。もちろん、基本シナリオは2012年にプライマリーバランスが黒字に転じて…
という内容でしたが、今の延長上にあるのはこの非改革ケースだと思います。
その証拠に、プライマリーバランスって実現しそうも無いですよね?
アパートローンが8%、いや10%になったら、不動産の価格ってどうなるでしょう?
次の相場はもう始まっている…今はそう思います。
これで、私のドタバタ体験記は終わりです。
私の経営同様、纏まりの悪い体験記になってしまいましたことをお詫び致します。
そして、最後にちょっとご案内させてください。
今度、川崎で大家の協会を作ろうと考えています。
協会といっても、勉強会や情報交換を主に行う予定ですが、もし、
興味のある方はご連絡をくださいね。(info@sftd.jp)
これからは、大家業も戦略的な経営を意識しなくてはならない時代だと思いますし、その為には地域の同業ネットワークが欠かせないと感じるからです。
それでは、皆様の不動産投資・経営が実り多いものになりますようお祈りしております。
長い間ご拝読いただきありがとうございました!
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