こんにちは、竹之内です。
前回、ご説明したとおり、私は沢山の会社に提案依頼をお願いしました。
鉄骨系、木造系大手ハウスメーカー、中小ハウスメーカー、
輸入住宅、地元工務店、特殊な工法を手がける工務店など。
調べているうちに、
九州では安価な工法を持っている建設会社が多いことがわかり、
九州の会社やそのライセンスを受けて関東で営業している会社などにも
問合せしました。
(結局、地域によるコスト差と過度の規格化で使えませんでした。)
こうして、事業計画書と見積もりが徐々に集まってくると、
次の傾向がわかりました。
・1Kを中心にした計画が多い
・2階建て(木造・軽量鉄骨)と3階建て(重量鉄骨・鉄筋コンクリート)は
バラバラ
・家賃収入の査定・空室の数字は各社ばらばら
これらをまとめていて、次の課題が判明しました。
課題② :正しい家賃の査定額は?又は基準は?
不当に高い家賃設定で収支計画を立てれば、当然儲かる計画に見えます。
一方で、堅実そうな家賃査定で見積もって頂いている会社もありました。
残念ながら、正しい家賃設定かどうか全く判断がつきません。
しばらく、見積の分析をしてみると「賃料保証」という書類を添付している会社が数社ありました。
「保証してくれる家賃設定ならば、不当に高い査定はできないだろうし、
最悪、この会社で家賃保証をお願いすればいいな」と考え、この会社の賃料保証見積を
収益計画の根拠にすることにしました。指定した会社は川崎駅前にある大手仲介会社の
川崎店です。
まだ見積を頂いていない会社と2次交渉をお願いしようと考えている会社に連絡し、
賃料査定はこの会社さんの賃料保証を前提にして欲しい旨をお願いしました。
収益をグラフ化などして分析していると、次の問題が…。
課題③ :建築してから何年目を収益の評価日にするか?
見積を比較、淘汰してゆくと最終的に2つの見積パターンが残りました。
①軽量鉄骨造2階建て、12戸。規格品をそのまま用い、最も安価なアパートタイプ
②重量鉄骨造3階建ての自由設計で、部屋数を18戸まで増やしたマンションタイプ
この2つは全く異なったパフォーマンスで
①投資コストを最小限に抑え、数年で損益分岐をむかえ、着実に利益を上げる
②投資コストは大きいが、損益分岐点を超えると、毎年のリターンが大きい
10年で評価すると前者。15年で評価すると後者が良いという結果になります。
つまり、いつの時点で評価するかによって最適な選択肢が違ってきます…。
どうしようかなぁ~といろいろな資料をチェックしていると。
最初に買った「マンガで…」に次のような記載がありました。
家を建てるための3つの方法
①ハウスメーカー
②工務店
③建築士
そういえばまだ、建築士にはアクセスしていないなぁ…。
このとき、大学時代の後輩の顔が思い浮かびました。
以前、彼の設計したビルを見学した際、とても良い設計・デザインだったので、
「この手があったか!」と思わずほくそえんでしまいました。
しかし、彼は大坂に…。
「やっぱ、世の中そんなにうまくいかないよなぁ。」と思いながら彼に連絡。
とりあえず、うまいものでも食べに大阪まで行くか!と決断して、大阪へ。
数年ぶりに彼に会いました。
再会の第一印象は「なんでこいつのワイシャツは襟が無いんだろう?」(笑)
(すっかり、アパート経営のことを忘れて、お遊びモードでした。)
後輩だからといってさすがに無理は言えないなと、あきらめ加減で事情を説明していると。
「是非、設計させて欲しい」という回答。
この瞬間、InCube計画 最初の骨格が決まりました。
設計 : 田中俊行
自分でも不思議ですが、建物の施工にはたくさんの見積を比較して決めようとしているのに、
設計士は一発で決定。
上手に説明できませんが、決断は肌の感覚でするものだと思うからです。
いくら緻密な計算をしても、予定通り計画は進みません。
なるべく、数字にできることは計算して、予想できることは予想する。
しかし、それらが万能でないことを踏まえて、最終決断すべきだと…。
最後は肌の感覚が一番信用できると…私は勝手に解釈しています。
ここから本格的に計画が前進し始めました。
私から彼の設計に要求したのは、「収益の最大化」「住まれる方の安全、安心」の2点です。
逆にそれ以外は全て思うとおりにやって欲しい旨を説明しました。
以前、彼の作品を見ていた私は「素人が個別具体的な指示を出すより、彼ほどの設計者
全てのバランスを考慮して設計した方が絶対に良い建物になるはずだ!」と強く思ったからです。
それと、新しい要求機能「住まれる方の安全、安心」は各社の見積もりを分析してゆくうちに、絶対に必要な機能だと思い始めました。
その理由は次の通りです。
・収益計画では最低でも20年以上、機能及び賃貸物件としての競争力が維持できなければ机上の空論になってしまうこと
・地震、火災のリスク回避には建物の耐震、耐火性能向上が前提となること
・ストーカー、窃盗など防犯が10年後の賃貸物件には必須機能と予想すること
・お客様不在のビジネスには長期的な反映など在りえないこと
・自分が住まないという理由で「安全、安心」をないがしろにする業者・オーナーが多いこと(当たり前の機能だと思うが、明確に表現することにより担保する意味)
数週間後。我が家で基本設計が示されました。
立方体の外観。質感のある一枚壁。
対比して小さなエントランス。共有部分とベランダのルーバー。
一筆描きできそうなシンプルなデザインで、
マンションというより、要塞に近い印象です。
今回はここまでにしておきます。
計画をとりまとめるには予想以上に時間がかかります。
次回は工務店選びとコストダウンについて触れたいと思います。
では、またっ。
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