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初めての現地調査
不動産屋と接するのは、大学時代に一人暮らし用の物件を探しに行って以来だった。そのときは、あまり対応がよかった記憶がないので、なんとなく「不動産屋=近寄りがたい」という印象がある。ちょっとドキドキしながら、電話を手に取った。
K氏の紹介ということもあり、不動産屋はすんなりと私の要望を聞いてくれ、現在ちょうどいい物件があると、弘明寺のワンルームマンションを紹介してくれた。
その物件は任意売却で実質利回りが約10%弱だという。とりあえず、物件明細書を送ってもらうことにした。見てみると物件価格が350万円、表面利回りが、13%程度。詳しい資金計算はともかく、まずは物件を見に行かなくてはならない。
とはいえ、物件を見に行くのは初めてだったので、どこをチェックしたらよいかもわからない。そこで、事前にK氏と会い、購入時のチェック事項を教えてもらうことにした。
-1- 立地
1. 駅力(乗降者数、コンビニ・スーパーの有無)
2. 駅近(駅から近いかどうか)
-2- 管理
1. 修繕積立金の明細
2. 修繕計画
3. 管理組合(管理契約、管理規約など)
-3- 物件
1. 付帯設備(エアコン・給湯器など)
2. 見学(部屋内を見るのが可能かどうか)
その他もろもろあるが、大枠ではこんなところだろうという。チェック事項も整理できたので、現地に行ってみてくることにした。会社を半休して、いざ横浜へ。
弘明寺駅で降りると、急な斜面に店舗が並んでいる。
朝だったせいか、かなり人通りも多いようだ。坂を下り終わると、商店街があり、スーパーや書店等々、一通りの商業施設は揃っている。
お目当ての物件は商店街から一本小道を入ったところにあった。
商店街からは徒歩1分くらいの距離、駅からは大体5分くらいだろう。駅近の条件はクリアしそうだ。
さらにあとから聞いた話だが、弘明寺駅周辺というのは、近郊の住民からすると結構ブランド力があるらしい。要するに駅力があるということだ。
物件自体はそんなに新しくないものの、きれいな外観である。
部屋の中は見られなかったが、あとから参照できるように周囲の商店街や外観をデジカメで写真を取りまくった。
普段何気なく歩いている街並みも物件の調査という意識で探索してみると色々と新しい発見があるものだ。街を歩いている人たちの属性、スーパーの営業時間、地元の不動産屋で、同じような間取りの物件の平均賃料もチェックした。全体的に見ると、物件の環境は悪くない。あとは実質利回りがどれくらいあるかが問題だ。家に帰って、予算計画を詳細に検討してみることにした。
物件価格が350万円。税金等かかる諸費用を入れると380万円くらいだ。実質の最終利回りは大体9.5%と出た。
たしか、K氏は実質利回りが9%を超えていれば、投資対象となりうると言っていた。環境、利回りとも合格、これはいけると思った。
物件の環境も利回りも合格点。普通ならすぐに契約の手続きに入りたいところだ。
しかし、この段階にきて、一抹の不安が頭をよぎった。なんといってもこの物件は私にとっては一件目。初めての物件でこんなにうまくいっていいのかと、なんだか怖くなってきた。家電製品や洋服を買うのとは、まさに桁違いの金額である。ほかにもっといい物件があるかもしれないし、投資リスクに対する不安も沸いてくる。
そうこう2,3日悩んでいるうちに、なんと、物件購入者が先に決まってしまったと不動産屋から連絡が入った。
不動産投資にそんな競争相手がいるものだとは思っていなかった私は、意外なところで、足をすくわれ、見事に買い損ねてしまったのだった。
しかし、この買い損ねは私にとってもいい勉強になった。
不動産投資も普通のビジネスと同じく、意思決定のスピードが求められる。買いをあせってはいけないが、チェックすべきところを急いでチェックすることが求められるのだ。そのためには、数多くの物件を見て、良い物件と悪い物件を見分ける判断力を磨かなくてはいけない。
私は、一件目で決められるなんて幸運すぎるのだ、と気を取り直して、良い物件があったら紹介してもらえるように不動産屋に頼んでおいた。
~ 次回、「不動産投資を学ぶ 完結編」に続く
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