欧米等100年住宅で、中古建物も価値があるのに対し、日本は、20年程度しか持ちませんし、中古住宅の建物は価値はゼロどころか、撤去費用がいる分マイナスなのです。
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これは、多分に、住宅メーカー、政治家等の陰謀なのでしょう。
「連載特集 : 第92回 “キャリア住宅”普及のカギは家歴書の作成・保管から
住宅政策がストック重視へとシフトする中、「家歴書」作成の制度化に向けた動きが本格化してきた。
自民党は今年5月、長寿命住宅社会の形成を支援する「200年住宅ビジョン」の中で、家歴書作成の制度化へ向けた基盤作りをスタートさせた。
東京都ではすでに7年前から、「東京構想2000」の中で中古住宅の家歴書を整備する方針を打ち出していたが、ここへ来てようやく、国を挙げて本腰を入れ始めた。
そこで、動き始めた制度の中身や背景を振り返るとともに、家歴書作成の手引きも紹介する。
■マンションにも「キャリア」が求められる時代に
「キャリア」という言葉を聞くと、読者の中には官僚やエリート社員といった人物を想像する人も多いだろう。
実は、住宅の世界にも「キャリア住宅」という言葉がある。
適切な修繕計画に基づき修繕が行われ、しかも、その修繕履歴を記載した家歴書を備えた中古住宅のことを「キャリア住宅」と呼ぶ。
この言葉は、東京都が2002年2月に策定した「東京都住宅マスタープラン」の中で、「キャリア住宅推奨制度」を創設しようとしたことに由来する。
あいにく、当該制度は広がりを見せずに終わったが、住宅政策の転換と相まって、今まさに「キャリア住宅」という言葉の“本意”が見直され始めている。
さて、このキャリア住宅の骨格を形作るのが家歴書だ。
家歴書とは、住宅の修繕履歴あるいは定期点検の結果などを記録した履歴簿のことをいう。
考え方そのものは決して目新しいものではなく、これまでも多くのマンションが独自に作成、保管してきた。
通常、役員は2年程度ごとに交代してしまい、また、一定年数の経過したマンションでは居住者の入れ替わりもある。
そのため、どうしても過去の情報が偏在あるいは消滅してしまう難点があるため、記録として残すことで、誰もがいつでも履歴情報を共有できるようにする狙いだ。
■履歴情報を一元化することで、安全・安心なマイホーム環境を整備する
このように、すでに普及しているともいえる家歴書。
そうであれば、改めて家歴書に注目する必要はないようにも思える。
しかし、この時期に再び脚光を浴びるようになったのは、06年6月に施行された「住生活基本法」の誕生と大きく関係している。
同法には「将来世代に承継できる良質な住宅ストックと良好な居住環境の形成」という基本理念が掲げられており、良質な住宅ストックとなる「キャリア住宅」を普及させるためには、家歴書の存在が必要不可欠となるのだ。
自民党住宅土地調査会は5月に、家歴書の制度化に関する提言をまとめ、政府の「骨太方針2007」に反映させる考え。
根底には“ストック重視社会”の基盤整備を進めたい狙いがあり、まさに、家歴書が日本の住宅政策の根幹を担おうとしている印象だ。
さらに、マンションでは、耐震強度偽装事件に始まり、エレベーターやガス湯沸かし器による中毒事故まで、日常生活の安全を脅かしかねない騒動が頻発したことも大きく関係している。
良好な居住環境を実現するには、日常に潜む「危険」に対しても危機管理が求められる。
そこで国土交通省は、従来からあるマイホーム自体の改修履歴にとどまらず、設備機器の点検結果に関するデータも含めた情報を蓄積し、データベース化する計画を打ち出した。
具体的には、新築時の設計図面から耐震診断・リフォームといった改築や修繕、また、各種点検情報を蓄積するほか、さらには湯沸かし器や火災警報器・エレベーターなど設備機器の製造番号や修理記録の情報もデータベース化し、欠陥製品が発見された際の回収促進に役立てようとしている。
メーカーだけにすべての責任を押し付けず、国を挙げて万全を期す考えだ。
■「未来」に対する危機管理対策として、家歴書の存在が欠かせなくなる
本来、修繕履歴を作成する意味は、管理組合が過去の工事履歴を振り返り、間近に予定される修繕工事などの参考資料とするのが目的だった。
「過去」を回顧することで、「現在」に役立てようとしたわけだ。
ところが、これからは「未来」に向けて役立てようという流れに変わりつつある。
「もし、トラブルが発生したら…」という将来の不確定要因に対し、事前策を講じることで再発防止につなげる狙いだ。
このように、これからは家歴書が「証明書」に似た性格を持ち合わせるようになり、マイホームを“客観評価”する有力な判断材料となることが予想される。
将来のリフォーム時や売却時に、マンションの性能や評価証明になり得るからだ。
家歴書の発想(原点)そのものは今も昔も変わらないが、情報の使い方を変えただけで、その効果は未来へとつながることになる。それだけに、家歴書を作成していない管理組合は、今からでも遅くない。
以下を参考に、独自の履歴簿を作成するようにするといいだろう。
今後、家歴書がマイホームの資産価値を左右する日はそう遠くない。
マンション共用部分に関する修繕履歴として記録に残したい項目の一例修繕部位 修繕内容
屋上防水 屋根露出防水や屋根アスファルト防水コンクリート押さえの更新や補修、屋根パラペット塗膜防水の更新など
外壁や床など 外壁タイルのクリーニングや補修、シーリング(目地)の打替、バルコニー床や廊下床の防水更新など
鉄部など 屋上金物・バルコニー・廊下・外階段などの塗装、住戸玄関扉や共用扉の塗装など
金物・扉類 集合ポストの取り換え、バルコニーの避難ハッチや物干し金物、金属手すりの取り換え、面格子や玄関扉・アルミサッシの取り換えなど
給水設備 共用給水管の更生・更新、受水槽や高置水槽・給水ポンプの取り換えなど
排水設備 共用排水管の更生・更新
ガス設備 ガス管の更新
電気設備 分電盤類および電気配線の取り換え、屋外および屋内照明器具の取り換え、テレビアンテナ・テレビケーブル・分配器の取り換え、オートロックなど防犯装置の補修など
消防用設備 消火管の更生・更新、消火栓ポンプの取り換え、自動火災報知機の配線および受信盤の取り換えなど
エレベーター設備 エレベーターかご内装の改修、エレベーター本体の全面更新など
機械式駐車場 塗装、パレット等の補修など
外 溝 標識類の取り換え、遊具などの取り換え、自転車置き場の補修など
(参考資料)公庫マンション維持管理ガイドブック
(住宅コンサルタント 平賀功一)」
[日本経済新聞 2007年6月4日]
(注)原稿記載時点の内容で、その後の法改正などは考慮されていません。
ご了承ください。」
http://sumai.nikkei.co.jp/mansion/kanri/serial.cfm