不動産投資事始めに当たりまして、投資総額の少なさ、表面利回りの良さなどからして、札幌に目がいくことかと思います。
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しかし、札幌には札幌ならではの、長所もあれば、短所もあります。
今回は、敢えて、札幌の短所、注意点について、触れさせて頂きたいと思います。
表面利回りについては、中古区分所有マンションですと、極端な場合、話半分位に考えて、丁度いいかなと思います。
以下、詳細に、見てみましょう。
【修理費用・リフォーム代比率が割高】
不動産というものは、土地と建物から構成されております。
土地は目減りしません(日本沈没でもあれば別です。)が、建物は、古くなっていき、やがては、資産価値がゼロ、そして、マイナス(撤去費用がかかる分)になっていきます。
土地は、立地(都市、路線・駅、そこからの距離等)によって、資産価値が異なってきますが、建物は、立地によって、そんなに変わるものではありません。
ということは、大都市(東京等)の不動産は、土地分が多いため、資産価値が下落しにくいと言えます。
(理論上、土地価格の値下がりは、あり得ますが、建物のように、物理的な減価はありません。)
そのことは、言い方を変えれば、地方物件においては、物件価格に対する修理費・リフォーム代の比率が高くなるということを意味します。
又、修理費・リフォーム代は、概ね建物専有面積に比例しますが、家賃には、比例しません。
言い方を変えれば、地方物件においては、家賃に対する修理費・リフォーム代の比率が高くなるということを意味します。
【滞納リスクが高い】
東京・名古屋・博多に比べて、札幌は、不景気です。
北海道拓殖銀行・雪印乳業・マイカル等倒産もあり、まだまだ不景気で、大恐慌の状況のようです。
家賃も安く、2万円程度からあります。
そこまで安いと、それなりの入居者が多く、中には、失業者、生活保護を受けておられる方までおられます。
そうなると、当然、滞納も多くなります。
法人でも安心できず、滞納もしょっちゅうです。
半年位の滞納や、夜逃げ等、日常茶飯事です。
【空室】
札幌の場合、空室期間は、半年、1年以上等と半端ではありません。
普通は、ピークが3月、次のピークが9月と言われていますが、札幌の場合、3月くらいしか期待できません。
そうなると、4月に空くと、翌年3月迄、11ヶ月間空室となる可能性が高いということです。
平均でも、6ヶ月。
へたをすれば、3月でも決まらない場合もありえます。
【礼金無し】
東京は、礼金2ヶ月が普通ですが、札幌には、礼金の制度がありません。
【賃貸付仲介手数料】
宅地建物取引業法上は、賃貸人・賃借人双方合わせて、賃貸料1ヶ月分を上限として、賃貸仲介手数料を取っても良いことになっておりますが、最近は、実務上は、賃借人から1ヶ月分取った上、更に、賃貸人からも、「広告料」と称して、取り、合わせて、2ヶ月分取るのが多くなってきております。
更に、札幌の場合、この広告料が、うなぎのぼりとなっており、2,3ヶ月分というのまで、出だしているの
です。
【家賃値下げ】
そして、新規入居者募集の度に、1~2割の値下げはざらです。
例えば、家賃が25,000円とすれば、2,500円~5,000円値下げし、20,000円~22,500円といった感じです。
賃貸管理会社の手数料は、東京のように、家賃の一定割合(5%等)ではなく、札幌の場合、定額(2,100円等)であるため、家賃がいくら下がろうと、関係ないのです。
もっとも、賃貸付けの手数料・広告宣伝費、収益還元法適用時の将来の売却時の仲介手数料は、減りますが。
平均居住年数が2年間とすると、5回~10回の入居者入れ替え、つまり、10年~20年で、理論上は、家賃がゼロになってしまいます。
つまり、10年~20年で元を取らなくてはならないのです。
逆に言えば、単純に考えても、加重平均10%以上の実質利回りが必要ということになります。
以上からすれば、採算上、検討に値するボーダーラインは、以下のようなイメージでしょうか。
勿論、経済・金利情勢等にもよりますが。
東京:新築:5%
東京:中古:10%
札幌:新築:10%
札幌:中古:20%
【遠隔地による不利益】
それと、所有者が東京在住で、札幌の物件を所有する場合、やはり、遠隔地ということで、不利益な点があることは、否めません。
飛行機で行ったとしても、飛行機だけで、片道2時間はかかりますし、交通費だけでも、往復4万円程度はかかりますし、宿泊費用もかかります。
従って、物件選定、管理、修理・リフォーム時、各局面において、時間・経費面において、不利益な点は出てきます。
物件選定の面では、費やす時間に限りが出てきます。
管理、修理・リフォーム時においても、自分の関与度は低くならざるを得ません。
東京でしたら、ちょくちょく見に行ったり、場合によっては、知り合いの業者等にも相見積を取ったり等もできます。
極端な場合、自分で、修理・リフォームされる大家さんもいらっしゃいます。
又、入居者募集の際でも、自分が住んでいるエリアであれば、自分の人脈・ネットワークを活用して、賃貸管理会社よりも早く、自分自身で入居者を見つけることも可能です。
(私も、2回、実績があります。)
自分が住んでいるエリアですと、何かと、自分の関与度が高くできるのです。
【雪害】
雪が良く降り、雪かき等が必要な場合もあります。
地下鉄駅から徒歩5分以内などがベターです。
バス便などは、身動き不可能になってしまいます。
【光熱費】
冬場の暖房費等、半端ではありません。
集中暖房などとし、空室でも、割り勘で、数万円取られたりします。
又、石油ストーブの方が暖かいとのことで、人気が高いのですが、火災のリスクは高まります。
【値下がり】
10年で半分位にはなるでしょうか。(340万円が170万円等)
10年で元を取るくらいの気持ちでやった方が良いでしょう。
【総論】
ということで、札幌につきましては、札幌ならではのリスクも多いのです。
決して、表面上の利回りだけに目を奪われてはいけません。
実感的には、半分くらいに割引いて、丁度良いくらいではないでしょうか。
それでも、メリットもありますので、表面利回り20%以上の掘り出し物でもあれば、それはそれなりに、
面白いと思います。
【建替】
法律上は、8割以上の同意があれば、建替可能ですが、実際は、ほとんど難しいと思います。
建蔽率・容積率等も目一杯使っていれば、余剰スペースを売却し、建築資金に充てるということも不可能です。
それぞれ、年齢、家族構成、収支状況・財務内容・資金繰り、性格・考え方・ポリシー等も異なるからです。
早めに、資金回収し、後は、朽ち果てるのを待つという考え方もありますが、最悪、入居者は入らず、家賃も入らず、管理費・修繕積立金・光熱費、固定資産税・都市計画税等のみ、取られっぱなしということになる可能性が高いのです。
土地は残るといいましても、持分のみのバーチャル的なものに過ぎません。