| 今日は長文ですよ・・・。
その前に告知をひとつ。
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投資分析といえば、ブログのコメント欄に質問がありましたので、せっかくなので回答を兼ねて検証をしてみたいと思います。
・・・突然のコメントで申し訳ありません。いつも拝見させて頂いております。ブログの内容とは関係が無いのですが、ある金融機関から事業性資金としての融資なら可能と言われました。事業性資金の場合、融資期間10年~15年になると思います。例えば、期間15年・金利3.0%だとK%は8.28%になりますよね。よほどの物件でない限り逆レバレッジになります。このような事業性資金での融資の活用方法はあるのでしょうか?また、不動産業者様はこのような融資で会社を運営しているのでしょうか?・・・
ここまでが質問の内容です。
この文章のなかで「K%」という指標が出てきます。良く勉強されている方とお見受けします。K%は「ローンコンスタント」といいますが、計算式は「年間返済額(ADS)÷ローン借入額(LB)」。借入れに対して、元金・利息の合計額をどの位の負担で支払うのかという指標です。
年利3%・15年返済で1億円借りると毎月の返済は690,581円。年間8,286,979円ですから828万円÷1億円=8.28%の負担割合ということです。ちなみに同じ金利で30年返済だと毎月の返済は421,604円。年間5,059,248円ですからK%は約5.06%ということです。
物件のネット利回り。つまり家賃収入からは市場相場との差額を差引き、空室や滞納分を差引き、雑書得をプラスし、ここからさらに固定資産税や清掃費用や光熱費、管理費といった運営費を差引いた本当の意味での「ネット収入(NOI=ネット・オペレーション・インカムといいます)」を物件価格および取得するのに必要となった諸々の費用を加えた「投資の総額」で割ったもの(FCR=フリー・アンド・クリアーリターンといいます)と、K%の差がプラスになっていると、いわゆる正のレバレッジが発生します。
たとえば、投資総額が1億円でFCR7%であればNOIは700万円になります。
自己資金1000万円でこの投資をした場合、借入れは9000万円ですからK%約8%であれば年間返済額は9000万円×8%=720万円ということです。1000万円も入れているのに20万円の持ち出しですね。こんななら借り入れしないで現金で1000万円の投資をした方がいいと思います。同じ7%の投資なら少なくとも70万円の収入になりますから、20万円の持ち出しとは大違いです。
K%=5%だったら?
返済は9000万円×5%=450万円ですから、この場合は逆に手元に残るお金は250万円になります。自己資金1000万円出していますから25%の利回り。7%の投資を現金でやるよりいいですね。
でも、これは投資のひとつの側面です。9000万円の借入れの10年後の残債を見ると、15年返済の場合は34,589,246円、30年返済の場合は68,417,827円。
15年返済の物件は大抵古くてほぼ土地値だったり、賃料レベルが底を打っていてそれ以上の値下がりがなかったりと、あまり出口での価格が変わらない場合が多いです。それから、最後に建替えるととてもいい投資になる場合もありますからレバレッジが逆になっていても、欲しい場合があります。
先ほどのケースで(1)投資開始時に入れた自己資金(2)投資をしている間に入ってくるキャッシュフロー(3)最後に売却したときの手取り金・・・を反映させてどの位の利回りになるかという計算をしてみたいと思います。内部収益率(IRR)という指標ですね。
エクセルに(1)~(3)を時系列で並べて記載(自分が払うおカネはマイナス、自分がもらうおカネはプラスにしてください)して、エクセル関数のなかから「IRR」というのを選んでから数字をドラッグするとすぐに出ます。
仮に10年保有として15年返済のケースは売値は9000万円、30年返済のケースは7000万円。売却コストは4%としておきましょう。それからキャッシュフローはどちらも変化無しとします。
それぞれのIRRを計算すると15年返済の場合は17%、30年返済の場合は21%。確かに30年返済の方が勝りますが、思ったよりも差がでません。
出口の手取り金額で攻守逆転してしまうからです。
では、こういった逆レバの投資をする場合、どうすればいいかというと二つのケースが考えられます。
(1) 自己資金の割合を多くする。
先ほどの15年返済のケースで見ると、1億円の投資に1000万円の自己資金で、持ち出しが20万円でした。では2000万円の自己資金なら?借入れ8000万円×K%8%=640万円が年間返済です。NOIは700万円ですから一応60万円の税引前キャッシュフロー(BTCF)は出ます。自己資金に対する利回り(CCR)は60万円÷2000万円=3%にしか過ぎませんが。
自己資金3000万円なら?同じように年間返済は560万円でBTCFは140万円、CCRは4.6%。5000万円なら?返済400万円でBTCF300万円、CCR6%。
自己資金の割合を多くすればするほど効率も安全性も高まります。
(2) 持ち出しのレベルが許容範囲内になる投資にする。
年間持ち出をカバーできる別の収入があるかということです。年収500万円のサラリーマンが年間20万円の持ち出しはなんとかなると思いますが100万円の持ち出しはムリでしょう。それから、キャッシュフローが出る物件が他にあれば許容範囲は大きくなりますね。持ち出し100万円の物件を買うけど、他の物件のキャッシュフローは500万円あるなんていうケースなら問題はないでしょう。
K%=約8%でレバレッジが効けばそれに越したことはありませんが、FCRはあくまでも空室や運営費を勘案した数値なので、表面利回りが15%とか20%とかの物件もよくよく計算して見ると7%とか6%という場合が多いです。逆に表面利回り9%とか10%の場合でも同じくらいのFCRになる場合が多いです。
なぜかというと、表面利回りが低い場所は空室率が低かったり、家賃が取れる地域で運営費や修繕費が割安になるからなんですけど。
不動産会社は買ってすぐ転売しますね。資本改善して稼働率や家賃を上げてから。そうすると、IRRは物凄い数字になります。
例えば、家賃収入1000万円、空室率15%、運営費150万円=ネット収入700万円という物件をネット利回り8%の8750万円で買い取ったとします。購入経費は600万円位でしょうか。
これに1000万円の費用をかけて資本改善し、1年かけて家賃収入1200万円、空室率5%、運営費150万円=ネット収入990万円にしたとしましょう。売却するときの利回りは、購入時よりもリスクが減っているわけですからより低くても買う人はいるでしょう。仮に7%とすると1億4140万円。売却コストと譲渡税を引いても1億1800万円位にはなります。
1年で2450万円の儲けです。
全額現金(1億350万円)でやったとしたら約24%の利回り。K%8%の借入れを1億円したとしても返済は800万円で、元金の減少は536万円ですから、IRRを計算すると、
0年:-350万(自己資金)
1年:-100万(CF)+1億1800万(売却手取り)-9464万(残債)=2236万
で、IRR=約540%です。K%が8%でも10%でも問題ないですね。
こういった投資は個人でもできますよ。
ただ、そこまで仕上げるのにノウハウと金銭的な体力が必要になりますから、いくつか物件を買い進んでキャッシュフローが安定してきたら、そういった投資にチャレンジしてみるのもいいと思います。 |