空室率計算の考え方についてご質問がありましたのでお答えします。
Q:自己所有物件につき今後10年の売上予測を立てる必要があるため、将来の空室率、及び賃料増減をどのように予測すればよいか、基本的な考え方だけでもご教示いただけますか。よろしくお願い致します。
疑問点(1)とりあえず、過去10年程の空室率を調べ、その平均数値を算出したが、「将来」の空室にそれを単純に当てはめてよいものか。
疑問点(2)事務所ビルの場合、テナントによって複数フロア貸したり、フロアの一部を貸したりしていることを考えると、そもそも「空室率」という考え方は馴染むのか・・・・。
A:基本的に10年後の空室率を予想しろといわれて正確に計算できる人はいないでしょうね。
ただ、10年経てば単体の物件自体それだけ古くなるわけですから市場が変わらなかったとしても現在の空室率よりはより厳しく見る必要があるでしょう。
逆に資本改善をして物件が良くなったとか、新駅ができたり都市化が進んで市場が良くなるだろうという場合には空室率は改善されると予想できます。
こういった市場性がどうなっていくかという場合の判断基準は「都市化指標」から読み込みます。着工数や人口動態、世帯あたり人数、持家率などなど。市場分析編セミナーでこういったデータとその使い方のご紹介をしています。
それから空室率には今いくつ空いているのか?という「時点空室率」の他に、空室になったらどのくらいの期間で埋まるのかという「稼動空室率」というのがあります。このあたりの条件も計算の中には織り込むべきです。
賃料増減は今時点でわかる、築年数ごとの賃料単価の推移を基にして予想するしかありません。これは、賃貸住宅のポータルサイトからエクセルにドロップして、賃料・面積・築年数の三要素を抽出して、前者2項目から単価を計算。そして賃料単価と築年数の関係をソートで揃えたうえでグラフウィザードの分散図をつくるという作業で築年数を経るごとの傾向がつかめます。
事務所ビルの空室率は「面積」で計算してください。居住系は「戸数」です。
・・・・・・空室率の見極めは大事ですね。丁度、昨日と一昨日福岡でMKL(マーケティングとリーシング)の授業がありましたが、教科書の最初のほうにこんなことが書いてあります。
「新米の不動産投資家やディベロッパーは、好ましくない場所にある安い物件や土地を見て、掘り出し物だと思うかもしれません。しかし、そのような物件が掘り出し物であることはほとんどなく、うまくいったとしても、月並みの収益しかありません。能力のある管理士でも、良くない場所にある物件を成功させることは不可能に近いことを忘れないでください。どのような物件でも改善することはできますが、成功例は、通常、よい場所の、悪化しつつある物件に見られます。」
身も蓋もありませんが、的を射ています。

