「都市化が進んだ地域は10点満点で何点だと思う?」
午前中、みなとみらいオフィスから車で程近い場所に売りに出ている中古アパートをスタッフのみんなで見に行きました。
車の中で投資分析や市場分析、建築構造や法令、あるいは物件自体の目利き的な話をよくします。社員教育の一環でもありますから。
みんな「9点!」「6点?」真剣に答えてくれます。
「答えは・・・・8点(発展)」。親父ギャグもついつい出ます、物件を見に行くときってテンション上がりますからね(迷惑?)。
この物件は同時期に建築されたアパートと比べるとずいぶん安普請で10年は老けていましたので資本改善の費用と効果を含めて要検討という感じでした。
化粧で直るものと直らないものってありますから。
逆に予算をかけすぎてオーバークオリティなんていう場合もあります。
このあいだこんな相談がありました。
人口十数万人の某市でJRの駅から徒歩20分近い立地です。
相談者のかたは結構盛り上がっていました、
一応、商店街の通り沿いにあって土地の形もいいものですから。
相談の主旨は(1)この土地を購入してアパートを建てたい。(2)大手ハウスメーカーに見積もりとプランを頼んだら朝晩営業マンが来て契約を急がされている(3)でも建築費がちょっと高く感じるのでどうやったら価格交渉出来るか・・・というものでした。
プランと事業計画書を見せてもらいました。
25㎡位の1Rでキッチンは部屋の中にレイアウトされています。説明では引き戸が前についていてガラガラッと目隠しできますよ♪ということらしいです・・・。
風呂はやけに広いトイレを通って入ります。
うーん。普通にレイアウトすればバストイレ別でキッチンと居室も分離できますが、ナゼわざわざ・・・という感じです。
多くのハウスメーカーは間取り集に入っている東西南北3通り(東西は反転なので)のできあいの間取りを土地の図面にコピ貼りするだけの場合が多いのでそうなっちゃうんです。
軽量鉄骨の1R6世帯=43坪なのに価格は約4000万円。
「役員値引き」の▲マークが大きくアピールされていましたが、値引き前はいったいいくらだったの??という話です。
だって坪単価90万近くですから。
営業マンが契約を急ぐ気持ちもわかります、この単価なら7階建てのマンションが建ちますからね。気がついちゃうもん。高いことに。
それから事業計画書も賃料が2割は高く設定されてそのうえ空室率は3%(乗降客数2万人台の駅徒歩20分の1Rで)。そしてその条件が30年間継続。
「当社の建物は60年保証です!」というのがウリらしいですがいかんせん無理があります。もし、30年の家賃保証を付けてくれたとしても借り上げ賃料の見直しは当然数年ごとにするでしょうし、60年保証された建物でも・・・借りる人いる?築60年のアパートに、という感じでしょうか。
多分、他の建築会社であればその3分の1位の金額で建てられると思いますが結論としては計画自体を見直しましょうという話になりました。
だって市場性はともかく、土地+建物(安く建ったとしてですよ)の総予算で投資分析すると新築の時はなんとか年間15万円の黒字、数年後にはすぐに赤字ですから。
自己資金はそこそこ入れますから計算すると長期国債を買ったほうがマシです。
「いつでも解約できますし、一筆書いてもかまいませんので兎に角契約を!」と詰め寄られていたようですがなし崩しになっていたらエライことになっていたと思います。
50歳台後半の方で、「老後の生活費が年金だけでは完全に不足するから」ということで始まったハナシらしいのですが、いつの間にか当の本人自体に余計な構成要素がどんどん増えてしまってわけがわからなくなってしまったというケースです。
いわく一部屋を自分でやっている仕事場に使いたいから商店街の一角がいい、いわく子供が将来自宅に建替えてもいい、いわく大学の近くがいい(その大学は学生数わずか2500人で調べたら近隣の学生向け物件は飽和状態でした)、いわく自分の家の近くがいい・・・。
何より何が優先か?こういった選択肢があったらどうするか?必要なことやものは何か?
ヒアリングを重ねていくうちに問題ってシンプルになっていきます。
そしていくつかのストーリーが数字の裏付けをもって見えてきますので、そこで初めて方向性と方針が決まります。
なんとなーく不安で相談に来られた方でしたが、もやもやした部分がある時って本能的に危険を感じているんだと思います。
すっきりはっきりさせた上でやっても遅くないです。
そしてモノサシがわかっていて、引き出しが多ければ最初の段階でアリナシの答えを導き出せますので遠回りに見えるようでもまずは勉強をすることだと思います。
明日はHOME’Sのセミナーで「HOME’Sを使った市場分析」を、明後日はCFネッツ主催のセミナーで「危機管理」に関する話をします。