先日マイミクさんから不動産投資の確定申告は黒にしたほうがいいか赤にしたほうがいいか質問があったのでご紹介します(質問内容はブログで共有してもかまいませんということでしたので)。
「・・・猪俣先生!”K”です。どうしても教えていただきたいことがあったので、メールしました。とある本にあったのですが、”不動産投資による赤字は還付として返ってくる。それも不動産投資の魅力。” キャッシュフローも赤字でもアリまで言っていて、どうかな・・・。と思ったのですが。
それは、さておき、還付について。ご質問なんです。
私は、還付を受けようと思えば、そういう確定申告を作ることのできる年もありますが、あえて、赤字にせず還付を受けないようにしています。それは、将来借り入れの審査にマイナスイメージになるからです。
この考えは間違っていますでしょうか?
その方の投資体験本には、それでも買い足しているので、関係ないのかな?とも思いました。真実はどちらなのでしょうか??
もしかして、キャッシュフローが黒字、PL上ではやや赤字くらいなら許されるとか?
どんなものなのでしょうか? 金融機関・銀行の見方は? お時間ある時に、教えていただけると幸いです。」
所得税の還付ですね。
銀行は一応、「申告が赤字でも実質黒字ならいいですよ」とは言ってくれますが見た目は悪いので本部稟議案件になったりするとマイナス要因になります。黒字にしておくほうが安全だと思います。
税引前CFが赤字でも所得税率によっては還付額がそれを上回ることは確かにあります。
例えば・・・
NOI 1000万
-金利 450万
-元金 600万
BTCF ▲50万
の場合、
減価償却500万
青色申告控除65万
専従者給与105万
であれば
NOI 1000万
-金利 450万
-減価償却500万
-青色申告控除65万
-専従者給与105万
課税売上▲120万
になりますから所得税40%+住民税10%=50%の投資家であれば60万円の還付が受けられます。従って実際のCFは+10万円となります(申告上赤字の場合は土地分の金利が経費計上できなくなるので実際はちょっと違います)。
ただ、税率33%だと還付額39.6万ですからこの場合だと-10.4万円ですね。
問題はこういったぎりぎりの投資構造だとデッドクロスの影響をモロに受けるという点です。CFが十分にある投資であれば税率100%でない限りはちゃんとキャッシュは残ります。
例えば・・・
NOI 1000万
-金利 225万
-元金 300万
BTCF +475万
の場合、
減価償却500万
青色申告控除65万
専従者給与105万
であれば
NOI 1000万
-金利 225万
-減価償却500万
-青色申告控除65万
-専従者給与105万
課税売上+105万
税率50%の場合
BTCF475万-税額52.5万=税引後CF422.5万。
減価償却ゼロになった場合でも課税売上+605万ですから同じく
BTCF475万-税額302.5万=税引後CF+172.5万です。
最初の例でいくと
NOI 1000万
-金利 450万
-減価償却0万
-青色申告控除65万
-専従者給与105万
課税売上+380万
BTCF▲50万-税額190万=税引後CF▲240万。
税率33%の投資家でも
BTCF▲50万-税額125.4万=税引後CF▲175.4万となります。
ちなみにデッドクロスの定義は
「ローン年間返済額の元金部分 >(減価償却+申告控除+専従者給与)」の状態ということです。
さらに付け加えると、期間が短く元金返済部分が多い融資はデッドクロスになりやすいと言われていますし実際そうなんですが、短期間で担保力が出やすいので投資を拡大するうえでは銀行に対しては有利に働きます。
また、売却時の譲渡税は減価償却した部分に対しては課税されますし逆に減った元金に対しては課税されませんので売却の時には所得税では有利に働く状況も不利になるという点はあまり知られていません。
所得税33%で譲渡税39%なんていうこともありえますから注意が必要です。
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