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私の財産告白

株も商品取引も為替もエライことになっていますね。

景況感が悪くなってキャップレートが上がり物件価格が下がっています。

特にファンドや業者が持っている物件は「○○月までに決済してくれるなら▲▲万円値引きます」とか「現金決済してくれる人なら申込順は無視して物件を回します」とか悲鳴に近い声を聞きます。

ファンドは大抵ノンリコースローンでスキームを組み立てていますので、

物件が一定基準以下の評価になると追加の資金注入か売却しての一括返済を求められるトリガー条項が付いている場合がほとんどです。

業者は、銀行から1年間の短期資金を借り替えながら商売をしていますが、「はい、ここまでです」と言われたらそこでアウトです。

とくに、建築・不動産の業界は今、一斉にこういったことが行なわれています。皆さんご存知の通り。

そうするとやっぱり在庫を処分してなんとか資金繰りをしないと存続でしません。

銀行も物件価格の3割を入れてくださいというところが出てきてびっくりしていたら、「自己資金を50%入れてください」という銀行もいよいよ出てきました。

投資をする環境がますます厳しくなってきたというところでしょうか。


「人生と財産 私の財産告白」(ストレートな名前の本です!)本多静六著 日本経営合理化協会出版局という本を10年近く前に読みました。

著者は「公園の父」と呼ばれ、日比谷公園の設計などを行なった著名な農林学者でありながらなおかつ個人投資家。貧乏学者だったころから倹約に励み収入の4分の1を地道に貯金して投資資金をつくり40歳代には“明治の億万長者”となった人です。

最後は現在の価値で2億円ほどの自宅を含めた財産を残して、残りの資産のほとんどを国に寄付して(その中には現在の秩父国定公園(!)も含まれます)しまったという惚れ惚れするような明治の男です。

当時の政財界に大きな発言力も持っていたそうです。

なにしろ経済的に誰にも頼る必要がなく(逆に頼ってくる人は多かったらしいですが)、もともと私欲の無い人ですから心はいつも自由だったと思います。

私の憧れる先人のひとりです。

この人の言葉の中に「好況の時には貯蓄、不況の時には投資」というのがあります。

いまも、一方ではこういった投売り的な物件を買い進む一部の不動産業者や個人の動きが目立ちます。

そこに株や商品先物などから流れてきた投資家が加わり大きな流れができてきています。「現金1億円で買える物件を紹介してください」とか。ひとりやふたりではありません。

かといって、ぜんぶがお買い得物件なのかというとそうでもなく、投資で失敗しないためにもより一層の目利きが必要になるわけです。

そのために投資分析というモノサシと、場所の目利きや不動産市場の流れを見極める市場分析という航海図&羅針盤があると「いま何をするべきか」「何をしないべきか」ということが見えてくるわけです。


猪俣淳シカゴへ行く【3】

今日は朝8時から日本支部の今後の運営について、IREM本部事務局長のラッセル、2010年会長のランディ、ボードメンバーのナンシーに時間をもらって会議をしました。

日本からは佐々木会長も参加しています。

一番早く会議室に行って時間をもてあましたものですからオバマ氏の似顔絵を書いていました。IREMジャパンも「Change!(変わらなきゃ)です」

そのあと、ポーランドの皆さんとまたまた物件見学ツアー。

今日は新築マンションの販売事務所に行きました。これがまた凄いんです。

名前は「シカゴ・スパイラル」。

そのまんま、

まるでドリルを空に向けて突き立てたようなデザインで、まぁかなりSFチックなマンションです。

「スタンダードになると思いますね・・・23世紀の」と言ったら現地の担当者が笑っていました。

コンクリートとステンレススチールとガラスでできた高さ600m・150階建て(!)。完成は2013年を予定していて世界で一番のっぽなマンションになる予定です。

各階2.44度ずつずれながら螺旋状に構成されていて、1194世帯全てが違う間取りになっています。

価格は坪単価5~700万円(!!)、まぁ銀座の2倍です。一番高価なペントハウスは40億円で成約済み・・・。

トランプタワーと顧客はダブりませんか?と質問したら鼻で笑われました。

一番狭いスタジオタイプは55~82㎡で8000万円~1億7000万円。

まだ、基礎をやっている段階ですが30%が売れているんだそうです。ほとんど個人に。

サブプライム問題も関係ないといっていました。殆んど現金買いですし。

海外(アラブ?)の人が結構いるらしいですが、外からおカネを集めてくるにしてもアメリカの富の奥深さを改めて感じます。

そのあと午後からは地元シカゴのIREM会員で教科書を何冊か書いているハーマン夫妻にマーケティング(MKL)とスタッフ教育(HRS)に関して2時間半ほどのレクチャーを受けました。

どちらかというと日本のCPMとの情報交換的な側面が多かったですが。

そのなかで入居者に対して行なう有効な四つのアンケートというのがありましたのでご紹介しておきますね。

1)この物件は10点満点で何点ですか?
2)どうやったら10点になりますか?
3)ここに2年は住み続けると約束してもらえますか?
4)こうやったら2年は住むという条件は?

シンプルですが、いい質問です。

入居者に長く住み続けてもらう「テナントリテンション」は賃貸住宅の経営をする上では重要ですが、意外とつまらない理由で引っ越してしまうことってありますのでこれを未然に防ぐことができます。

それから入居者に連絡をするときって滞納の場合が殆んどですが、きちんきちんと家賃を払ってくれる入居者と親密な関係を築いていますかといわれると実は電話一本していない場合が多いんですね。

クリスマスや正月などみんながカードをやり取りする時期は効果が半減するのでバレンタインデーにカードを贈っていますなんて言ってましたね。誕生日でもいいと思います。

そのあとは、IREM会長がステイしているシカゴヒルトンのスイートルームで小規模なパーティー(とはいっても100人は来ていました)。


そのあと2次会が大広間で行なわれます。

会場内に昔懐かしいアーケードゲーム(パックマンとか)やピンボール、ダーツ、テーブルサッカー、卓球台などあちこちに設置されていてちょっとしたゲーセンみたいで面白かったです。MCをいれて70年代のヒットパレードで踊ったり。

30~40年前の子供がそのまま大きくなって、親の目を気にせず思う存分遊んでるっていう感じでしょうか(笑)。


でもアメリカ人は本当にパーティーが好きですね。

そろそろ炊き立てご飯で納豆と古漬けが食べたいです。あと長ネギの味噌汁と。


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猪俣淳シカゴへ行く【2】

三日目の朝は早起きしてミシガン湖沿いの公園をぶらぶら散歩しました。

雁が一列になって泳いでいて可愛かったです。ミシガン湖の雁(ガン)って駄洒落みたいですけどインディアンの言葉で水鳥のことを「みずがん」というと何かで読んだことがあります。

二日目まではIREM(全米不動産管理協会)のプログラム、今日三日目からはCCIMという商業不動産のAMを中心とした団体との共同プログラムが開始されます。

登録をすませていよいよ本番開始です。

最初に参加したのは「海外サービス審議会」。

カナダ・日本・ポーランド・韓国・ロシアとウクライナ・ブラジルの順にそれぞれの国の支部でどういった取り組みをしているかという発表とIREM本部に対する要望をやりとりしたりします。

そのあと午後からはIREM会員を対象とした本部オフィスの一般公開。

基本的に買い物の時間的なものがないので、

このスケジュールの合間を縫ってIREMの近くでばばっと済ませました。

文具が好きな小学校5年男子(この年代は消しゴムとか好きですよね)である子供たち用にオフィスデポでお土産を。シカゴカブスのTシャツも買いました。

双子だからなんでも二つ分でおカネがかかります。

安いものにしておかないとね。

それから大きなサイズがなくて普段オーダーになってしまうジャケットや革靴を自分用に。

アメリカは28cmの靴とか38インチのベルトとか普通に並んでいて、しかもそれが極端に大きいほうではないというところが嬉しいです。

夜はアメリカ西海岸を含めた環太平洋地域の会員が集まってリージョナルセミナーという名のパーティーがネイビー・ピアという港沿いのレストランで開かれました。

金融危機の影響についていろいろ聞きたかったところでしたが、みんなあんまり深刻な感じはしていませんでした。

逆に買いのスタンスをとっている人もいますし、住宅不況から賃貸住宅の稼働率や賃料が上がるといったポジティブな面を感じている人もいます。

常時10億円相当額(!)を自己資金にして不動産投資をしているジーン先生に関しては「いまは小さなショッピングモールを持っているみたいだよ」なんていうウワサも聞きましたが現物投資をしている人には今回のショックは小さいのかもしれません。

新規の購入やリファイナンスには影響はあると思いますが、十分な担保が出来ているつまり新規参入ではない投資家には金融機関もおカネをだしますしね。

かえって、アラブ系のタクシー運転手に「日本でも金融危機の影響はあるのか」と質問されたり、別のホテルの前で小規模な(だらだらとした)ストライキがあったりそういった層の皆さんが株でやられてしまったような雰囲気に見て取れました。


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猪俣淳シカゴへ行く【1】

UAの飛行機で12時間。

日本時間の早朝5時、現地時間の前日午後2時にシカゴ入りしました。

NY・ロスに次ぐ全米3番目の大都市です。

市の人口約290万人ですから横浜の8割位なんですね。でも広域都市圏は900万人ちょっとと東京には及びませんが日本にはあまりないレベルですから、こういった都市圏がいっぱいあるのがアメリカの強みなんだと思います。

初めて訪れる街ですが、

アメリカの大きな都市はどこもなんか同じような雰囲気がします。碁盤の目のような太い街路にモダンとレトロと入り混じった巨大なビル群と芝生のまぶしい大きな公園、足早に歩く人々と路傍のホームレス。でも熱気に溢れています。

まだ、シャワーを浴びた後に1時間ほどウロウロしただけのハナシですからわかりませんが。

明日は早起きしてミシガン湖沿いの公園を散歩してこようと思っています。本格的なスケジュールがスタートする前に。

一緒に現地入りした岡山県の江藤CPMは「2時間走りこみしますからそのつもりで!」とやけに元気ですが、もうひとり一緒に来たIREM東京支部長の右手(うて)CPMと私は顔を見合わせてしまいました。

明日は朝9時から午後3時までの6時間、びっちりと3人で研修を受けます。

なんの研修かというと、CPM(米国不動産経営管理士)になるために受からなければいけない3つの試験のなかで最大の関門「MPSA」試験の採点官になるための研修なんです。

この試験は二日にわたる試験になっていて一日目はグループに分かれて分析の下準備、最終日の二日目は朝9時から夕方6時まで昼休みなしの9時間ぶっ通しで、ひたすら各人金融電卓をたたきながら分厚いマネージメントプランを作成するという地獄の特訓的なもの凄い試験なんです。

あるいみ答えのない試験でもありますから、はたして論理的に整合性が取れているか、想定された投資家の希望を満たす要件がクリアできているかといった部分を見ていかないといけません。

おそらくCPMの皆さんは「二度と受けたくない」という感想を持っているはずですが、実践力はこの試験を通じて確実に身につきます。

明日、会場にいったらいきなりマネージメントプランの条件をわたされて「はい、では作成から始めてください・・・2時間で」とかいわれたら怖いねと3人で話していました。

冗談じゃなく怖いです(笑)。

2008年IREM/CCIM合同カンファレンスは明後日(現地15日)から本格的にスタートし4日間の日程で開催されます。

この研修があるので私たちは前倒しで来たと、そんなわけです。

ブラジル・カナダ・チリ・中国・ハンガリー・メキシコ・ポーランド・ロシア・スペイン・韓国・台湾・そして日本。

アメリカ以外の各国からも世界中のCPMが集結する年に一度のイベントです。

どんな話しが聞けるのか楽しみです。


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所得税の還付についての質問答えます

先日マイミクさんから不動産投資の確定申告は黒にしたほうがいいか赤にしたほうがいいか質問があったのでご紹介します(質問内容はブログで共有してもかまいませんということでしたので)。

「・・・猪俣先生!”K”です。どうしても教えていただきたいことがあったので、メールしました。とある本にあったのですが、”不動産投資による赤字は還付として返ってくる。それも不動産投資の魅力。” キャッシュフローも赤字でもアリまで言っていて、どうかな・・・。と思ったのですが。

それは、さておき、還付について。ご質問なんです。

私は、還付を受けようと思えば、そういう確定申告を作ることのできる年もありますが、あえて、赤字にせず還付を受けないようにしています。それは、将来借り入れの審査にマイナスイメージになるからです。

この考えは間違っていますでしょうか?

その方の投資体験本には、それでも買い足しているので、関係ないのかな?とも思いました。真実はどちらなのでしょうか??

もしかして、キャッシュフローが黒字、PL上ではやや赤字くらいなら許されるとか?

どんなものなのでしょうか? 金融機関・銀行の見方は? お時間ある時に、教えていただけると幸いです。」


所得税の還付ですね。
銀行は一応、「申告が赤字でも実質黒字ならいいですよ」とは言ってくれますが見た目は悪いので本部稟議案件になったりするとマイナス要因になります。黒字にしておくほうが安全だと思います。

税引前CFが赤字でも所得税率によっては還付額がそれを上回ることは確かにあります。
例えば・・・
 NOI  1000万
-金利  450万
-元金  600万
BTCF ▲50万

の場合、
減価償却500万
青色申告控除65万
専従者給与105万
であれば

 NOI  1000万
-金利  450万
-減価償却500万
-青色申告控除65万
-専従者給与105万
 課税売上▲120万

になりますから所得税40%+住民税10%=50%の投資家であれば60万円の還付が受けられます。従って実際のCFは+10万円となります(申告上赤字の場合は土地分の金利が経費計上できなくなるので実際はちょっと違います)。

ただ、税率33%だと還付額39.6万ですからこの場合だと-10.4万円ですね。

問題はこういったぎりぎりの投資構造だとデッドクロスの影響をモロに受けるという点です。CFが十分にある投資であれば税率100%でない限りはちゃんとキャッシュは残ります。

例えば・・・
 NOI  1000万
-金利  225万
-元金  300万
BTCF +475万

の場合、
減価償却500万
青色申告控除65万
専従者給与105万
であれば

 NOI  1000万
-金利  225万
-減価償却500万
-青色申告控除65万
-専従者給与105万

課税売上+105万

税率50%の場合
BTCF475万-税額52.5万=税引後CF422.5万。
減価償却ゼロになった場合でも課税売上+605万ですから同じく
BTCF475万-税額302.5万=税引後CF+172.5万です。

最初の例でいくと

 NOI  1000万
-金利  450万
-減価償却0万
-青色申告控除65万
-専従者給与105万
 課税売上+380万

BTCF▲50万-税額190万=税引後CF▲240万。
税率33%の投資家でも
BTCF▲50万-税額125.4万=税引後CF▲175.4万となります。

ちなみにデッドクロスの定義は
「ローン年間返済額の元金部分 >(減価償却+申告控除+専従者給与)」の状態ということです。

さらに付け加えると、期間が短く元金返済部分が多い融資はデッドクロスになりやすいと言われていますし実際そうなんですが、短期間で担保力が出やすいので投資を拡大するうえでは銀行に対しては有利に働きます。

また、売却時の譲渡税は減価償却した部分に対しては課税されますし逆に減った元金に対しては課税されませんので売却の時には所得税では有利に働く状況も不利になるという点はあまり知られていません。

所得税33%で譲渡税39%なんていうこともありえますから注意が必要です。


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借地権のアパート

借地の相談を受けています。

駅から10分ほどの場所にあるおよそ100坪ほどの借地権ですが、首都圏のまぁいい場所にあります。

借地の場合は初期費用が安くなりますので所有権と比べて収支はかなりよくなります。

ただ、

もともとの土地の価格が安いところだとその効果は半減しますよ。

100坪の土地を所有権で坪8万円=800万円で買うのと借地権で坪5万円=500万円で買うのとでは300万円しか差が出ません。(借地権割合が仮に60%程度だったと仮定しています。)

そこに80坪10世帯のアパートを4000万円(一部屋あたり400万円)で建てたとしたら総額が一部屋あたり480万円なのか450万円なのかの差しかないということです。

土地が坪8万円の地域なら賃料は坪5000円というところでしょうから4万円?
表面利回りで見た場合で比較しても・・・
所有権:年間賃料48万円÷480万円=10.00%
借地権:年間賃料48万円÷450万円=10.66%

そんなに差はありません。

では、所有権で坪80万円の土地を坪50万円の借地権で買ったとしたら?

これは8000万円か5000万円か。3000万円の差が付きます。

同じように比較してみましょうか。賃料は坪1万円とします(土地値が坪80万円の場所ですからね)

表面利回りで見た場合の比較・・・
所有権:年間賃料96万円÷1200万円=8.00%
借地権:年間賃料96万円÷900万円=10.66%

だいぶ差が付きますね。

実際は、売るときの譲渡承諾料や建築するときの建築承諾料、借地契約を継続するときの更新料なんかが発生しますし、地代は固定資産税の2.5~4倍というところが相場ですから運営費も多少あがります。

それから所有権の場合よりも銀行から資金を調達しにくいですから、より自己資金が多く必要になりCCR(自己資本利回り)が低下する傾向があります。

さらに、出口を想定する場合次に買う投資家も同じく融資を受けにくいですから売主側としては弱含みになりますから思いのほか売ったときの手取り金は少なくなるかもしれません。譲渡承諾料も地主に取られますからね。

こういったネガティブポイントを踏まえつつ、それでも良さそうであれば「検討に値する」ということになります。

企画が進めば建売の借地権付きアパートか借地権売買プラス請負契約か、そんな感じで物件化すると思いますのでもしも話が進捗したらまたご報告します。


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