資金洗浄(マネーローンダリング)という言葉があります。
組織犯罪などで得た利得の出所をいろんな方法で隠匿するという犯罪行為ですが、今月(08年3月)1日から法改正が行なわれて、不動産取引の世界にもこれを取り締まる法律が適用されることになりました。
JAFIC(JapanFinancialIntelligenceCenter)の「警察庁刑事局組織犯罪対策部犯罪収益移転防止管理官」という、名刺に書いたらそれだけでいっぱいになりそうな肩書きの皆さんが運用の担当をされています。
犯罪組織やテロ組織への資金の流れを監視して、これを食い止めるという重大な役目を担っています。
組織的犯罪処罰法(平成12年施行)で金融機関等による「疑わしい取引の届出」が義務付けられました。
疑わしい取引とは、「急な資金需要があって・・・」とか何らかの理由をつけて常識外の安値で売買がされたとか、逆に考えられないような高値で取引されたとか、はたまた契約の時と残代金決済の時の名義が急に変わったとか。なんか怪しいぞ?という取引です。
そして3年後の平成15年施行された金融機関等本人確認法で(1)運転免許証等による本人確認(2)本人確認記録の作成・保存(3)取引記録の作成・保存 が義務付けになったわけです。
今回は、
この二つの法律が廃止・削除のうえ拡大運用されてあらたに犯罪収益移転防止法という法律ができたということです。
金融機関だけではなく新規対象事業者が加えられ、そのなかにリース会社・宝石貴金属業者・司法書士・会計士・税理士・弁護士そして宅建業者などが入っています。
賃貸の場合は対象になりませんが、売買の場合は媒介契約を交わす段階で、そして売主・買主双方の(1)身分証明書の写しと(2)取引台帳を7年間保存する義務が生じます(宅建業法では保存期間は5年ですから注意が必要ですね)。
それから、前述の不自然な取引と思える場合は、契約が成立しなかった場合でも都道府県知事等へ届出をしないといけません。
もしも、これを怠ると刑事罰(!)が科せられますので宅建業者の方は要注意です。
不動産投資家の皆さんも、知らず知らずのうちに犯罪に加担していたなんていうことになると大変ですからね。まぁ、めったに無いと思いますが。
前に、売買契約後に事前相談でOKを出していた銀行が急遽手のひらを返して融資否認となったことがありました。
担当者は言葉を濁していましたが、どうも取引の相手方の売主法人の社判に記載されていた代表取締役の名前がその筋のかたの名前でヒットしたらしかったのです。
よくよく調べてもらったら(何年前にはどこに住んでいたとか根掘り葉掘り聞かれて住民票や戸籍謄本まで要求されました)、結局、同姓同名のまったくの別人ということでセーフとなりましたが、いろんなことがあります。
仲介業者が重大な処分暦のある会社だったなんていう場合にも同じようなことがありますので、普通なら問題のなさそうな融資が急に通らなくなって担当者が口を濁してみなさんに特にローン事故や債務超過など思い当たることがなければもしかしたらそんなことが原因だったりするかもしれませんよ。

