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プロフィール

猪俣淳
不動産業務歴20年、11個の不動産関連資格を持つ不動産投資コンサルタント  
(株式会社CFネッツ ジェネラルマネジャー)

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アパート大家さんになった
12人のフツーの人々


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 数字的な裏づけも取る

アマゾンで予約しておいた浦田健さんの新刊 「利回り20%をたたき出す戸建賃貸運用法」(ダイヤモンド社)が昨夜自宅に届いていましたので早速、その夜のうちに読み終えました。

「もう、アパート投資はするな!」という挑戦的な副題に惹かれます。

面白いですね、着眼点が。

小樽の築34年の戸建55万円、(表面)利回り72.7%とか、船橋の3DK450万円をルームシェアで5人に貸して(表面)利回り52%とか・・・。


もう、アパート投資はするな!利回り20%をたたき出す戸建賃貸運用法
もう、アパート投資はするな!利回り20%をたたき出す戸建賃貸運用法浦田 健

おすすめ平均
starsまあ、こういう方法もあるのか、と思えば良い本。

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現金でやるわけですからその分リスクが低い。フルローンで5000万くらいのアパート投資をするのと変わらないキャッシュフローがでる。といいこと尽くめのような気もします。

ただ、この本では触れられていませんでしたが、気になるのは運営費比率でしょうか。

たとえば、

小樽の55万円の戸建住宅。土地70坪・建物30坪(築34年)で残留物処分で7.5万、内装リフォームで20万、投資額トータル82.5万(実際は登記費用10万程度・取得税19万程度があるでしょうから110万位が取得費でしょうか)。賃料は5万円(年間60万円)。

これを投資分析してみましょう。

E(自己資金)  110万円
LB(借り入れ)  0
IB(投資ベース)110万円
 
 GPI(潜在総収入)60万円
▲空室・未回収損 勘案せず(戸建賃貸は入居者が出て行かないという趣意による)
 EGI(実行総収入)60万円
▲Opex(運営費)  8万円(固定資産税・賃貸管理費等)
 NOI(営業純利益)52万円
▲ADS(ローン返済) 0
 CF(キャッシュフロー)  52万円
FCR(総収益率)47% CCR(自己資金配当率)47% ・・・・・悪くないですね。

でも気になるのは修繕費でしょうか。
アパートの場合も同じですが、賃料があまりにも低い地域においては原状回復工事や外壁塗装などの建物メンテの負担が意外と重いのです。

工事費は地域によって価格差はありません。

30坪の一戸建ての内装を設備も含め本格的に行うと最低でも200万円はかかるでしょう。設備の更新がなくても100万円はまずいきます。

仮に30坪の住宅・アパートの屋根・外壁を塗りかえるとおよそ90万円程度かかると思いますが、家賃5万円の貸家と家賃5万円×6世帯=30万円のアパートでは面積が一緒でも家賃に対する負担の割合が6倍だということです。

また、固定資産税・賃貸管理費・共用部分の電気代・清掃費用・消防点検費用(貸家の場合は共用部分云々以降はかかりませんが)などの運営費が家賃に対してどのくらいかという目安は東京・横浜・川崎といった首都圏エリアの場合で、木造AP16~18%・RC一棟もの20~22%・区分所有マンション24~26%といったところですが、このエリアの半分程度の賃料レベルの地域であれば単純に2倍になるということです。

仮に10年ごとに退出に伴う原状回復工事(100万円)と外壁塗装工事(90万円)が発生したと仮定すると1年あたりの運営費は19万円プラスされます。

EGI(実行総収入)60万円
▲Opex(運営費)  27万円(固定資産税・賃貸管理費等)
 NOI(営業純利益)33万円
▲ADS(ローン返済) 0
 CF(キャッシュフロー)  33万円
FCR(総収益率)30% CCR(自己資金配当率)30%・・・かろうじてよさそうな感じがしますが不測の事態(空室や他の修繕)が発生したときには一気に収支が悪化します。

また、他の事例の物件はここまでの利回りは取れていませんから、さらに厳しそうな気がします。

この物件は転売時には500万円の値がつくらしいのですが、相続で急いでいたとはいえ250万円の売り出し価格を55万円まで下げた物件です。地方都市においては価格のつかない土地・住宅が数多く見られますので絵に描いた餅にならなければいいのですが。

地方で賃貸需要が少ないのにアパート供給が多すぎるという地域で土地活用を考えるときに1000万円予算で「貸家」を建築。という選択肢はアリかも知れませんが、首都圏でCCRがそこそこ取れる物件があるのであれば、あえて買うのはどうかなぁと個人的には思います。

500万円出して現金で投資物件を購入するのであれば、私なら首都圏駅前の古い区分所有を買うかもしれません。

なんか、本の内容を全否定するような意見になってしまいましたが、実際自分でやってみたわけでもありませんので机上の理論では出てこない本当のところは分かりません。いろいろな選択肢を持つということは大切なことですからもしかしたら、いつか自分で実践しているかも知れませんね。




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